主要港湾の運航スケジュールの遅延、欠航や抜港トラブル

Q1: 船のスケジュールが遅延、欠航、抜港され、貨物が予定通り届きません。どう対応すればよいですか?

近年、世界の主要港湾では、運航スケジュールの遅延や欠航、抜港が頻発しています。天候や港湾混雑、労働ストライキ、燃料価格の上昇、地政学的リスクなど、さまざまな要因が影響し、物流の安定性が低下しています。また、コンテナ不足や滞貨(貨物が港に長期間留まる状態)の常態化も、貿易業者にとって大きな課題です。

こうした状況で貨物が届かない場合、まずはフォワーダーや船会社に連絡し、最新のスケジュールを確認しましょう。状況によっては、代替の船便や輸送手段(航空便や鉄道輸送など)を検討することも必要です。特に、納期が厳しい貨物は、柔軟な輸送計画を立てることが求められます。

また、港湾混雑により貨物が長期間滞留する場合、追加の保管費用や遅延によるペナルティが発生することがあります。貨物の滞留が長引く場合には、フォワーダー等と交渉し、迅速な引き取りを図るよう依頼します。

主要港湾における遅延や抜港の影響を受けやすいケース

運航スケジュールの遅延や抜港の影響を受けやすいケースはいくつかあります。

アジア~欧州の長距離航路

アジア~欧州・北米航路のような長距離航路では、途中の港での寄港スケジュールが変更されやすいため、抜港のリスクが高くなります。

例えば、中国の主要港(上海・寧波・深セン)からの輸送では、欧州・北米向けの貨物が多く、混雑によるスケジュール変更が頻発しています。

抜港とは?

抜港(ばっこう)とは、船舶が予定していた寄港地に寄らずに通過することを指します。これは、港湾の混雑、悪天候、ストライキ、スケジュール調整、または積み荷不足などの理由で発生します。抜港が発生すると、貨物の到着が遅れたり、代替ルートでの輸送が必要になります。

ストライキや天候の影響を受けやすい航路

港湾労働者のストライキや天候の影響を受けやすい地域の港では、運航スケジュールが不安定になりがちです。

例えば、米国西海岸のロサンゼルス港やロングビーチ港では、過去に労働争議の影響で長期的な滞貨が発生しました。

シーズン的な需要期も注意!

特定の時期(ホリデーシーズン、旧正月前後など)には、貨物の量が急増し、港湾の処理能力を超えるため、遅延が発生しやすくなります。特に、小規模の貿易業者が貨物の優先順位を低くされることがあり、後回しにされるリスクがあるため注意が必要です。

運航スケジュールの遅延、欠航、抜港を未然に防ぐための対策

このようなトラブルを回避するには、輸送計画と事前の準備が重要です。まず、可能な限り複数の輸送ルートや輸送手段を確保します。

例えば、海上輸送だけに頼るのではなく、航空輸送や鉄道輸送を利用するなどです。また、フォワーダーと密に連携し、最新の運航状況を定期的に確認することも大切です。特に、出港予定の2週間前から頻繁に情報をチェックし、代替ルートを検討することで、抜港や遅延の影響を最小限に抑えられます。

余裕をもたせたスケジュール

さらに、貨物のスケジュール管理を徹底し、可能な限り余裕を持った納期設定を行いましょう。緊急性の高い貨物については、早めの出荷や分割輸送を検討することで、万が一のトラブルにも柔軟に対応できるようにしておくとよいでしょう。

小規模な貿易業者の場合、大手企業と比べて輸送の優先順位が低くなりやすいため、フォワーダーとの関係を強化し、優先的な対応を受けられるように交渉することも有効です。また、港湾混雑の状況をリアルタイムで把握し、混雑が少ない港を経由するルートを検討することで、トラブルを回避できる可能性があります。

まとめ

  • 主要港湾では、運航スケジュールの遅延、欠航、抜港が頻発しており、貨物の納期に影響を及ぼす。
  • アジア~欧州・北米航路は特に影響を受けやすく、港湾混雑や労働争議が発生しやすい地域では注意が必要
  • 主要な港湾混雑時期(ホリデーシーズン、旧正月など)を考慮し、スケジュールに余裕を持たせる。
  • 代替ルートを確保し、海上輸送に依存せず、鉄道・航空輸送も視野に入れる。
  • フォワーダーと緊密に連携し、出港予定の2週間前から最新情報をチェックする。
  • 小規模貿易業者は、優先順位を上げるためにフォワーダーとの関係を強化し、混雑の少ない港を利用する選択肢を検討する。

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