Q1: 通関手続き中に書類の不備を指摘され、貨物の引き取りが遅れています。どう対応すればよいですか？
輸入手続きでは、インボイスやパッキングリスト、原産地証明書などの各種書類が必要です。これらの書類に記入ミスや不備があると、税関審査が滞り、貨物の通関が遅れます。特に、品目の記載ミスやHSコードの誤り、価格の相違などは厳しくチェックされます。
書類の不備を指摘された場合、まずは税関の指示を確認し、速やかに修正書類を提出します。税関から求められた訂正内容を正確に把握し、必要な書類を整えて提出しましょう。また、誤記が発生した原因を特定し、再発防止のための対策を講じることも重要です。
もし書類の修正に時間がかかる場合は、フォワーダーや通関業者と相談し、貨物の滞留や保管を最小限に抑えるための方法を検討します。
例えば、貨物が保税（保管）されている場所を変更し、より費用が安い所に移動させるなどです。
書類不備が発生しやすいケース
書類不備が発生する理由はいくつかあります。まず、輸入経験が浅い事業者の場合、必要書類の種類や記入方法を十分に理解していないことが原因になることが多いです。特に、インボイスやパッキングリストに記載される品目名称や数量、単価が一致していないケースはよく見られます。
また、取引先が海外の企業である場合、書類のフォーマットが異なるために必要な情報が抜け落ちることがあります。中国企業の場合、インボイスやパッキングリスト等の字が非常に汚く読めないことも多いです。（文字がにじむ、潰れているなど）
例えば、日本の税関が求める詳細な品目説明が記載されていないと、追加の確認作業が発生し、通関手続きが遅れる原因になります。
法的要件上、必要な書類の不備
税関審査が厳しくなる品目（化学製品や食品、医薬品など＝他法令の確認貨物）では、追加書類が必要になることがあり、それを事前に把握していないとスムーズな通関ができません。特定の規制品目に該当する場合、事前に関係機関（税関含む）に確認し、必要な書類の準備、確認するべき項目の整理などをしておきます。
「輸入品目 事前相談」と検索してみましょう！関連する公的機関が出てきます。
書類の不備や記入ミスを未然に防ぐための対策
出来る限り通関トラブルを防ぐには、どうすればいいのでしょうか？
まず出荷前に必要書類の内容を確認することが重要です。インボイスやパッキングリストは、取引先と情報を共有し、正しい記載がされているか確認します。
また、事前に税関や通関業者に相談し、必要な書類を明確にしておくことも有効です。特に、新しい品目を輸入する場合や初めての取引先から仕入れる場合は、事前確認を徹底することで書類不備のリスクを軽減できます。
さらに、過去のミスを記録し、チェックリストを作成することも効果的です。
例えば、過去に記入ミスがあった項目をリストアップし、それをもとに輸入書類を作成することで、同じミスを繰り返すことを防げます。
例えば、新しい品目を輸入する場合は、通関業者に相談する。又は税関の関税監査官にHSコードの特定と関連する法令の調査を依頼すると良いと思います！
まとめ
- 通関書類の不備や記入ミスは貨物の遅延を招き、余計な手続きが発生する。
- よくあるミスとして、品目の記載ミス、HSコードの誤り、インボイスとパッキングリストの不一致がある。
- 書類のフォーマットや記入内容は、事前に取引先と確認し、必要な情報が揃っているかチェックする。
- 特定の規制品目を輸入する際は、事前に関係機関に確認し、追加書類が必要かどうかを把握する。
- 過去のミスを記録し、チェックリストを活用することで、同じ書類不備を繰り返さないようにする。
- 小規模事業者でも、サンプルフォーマットの活用や税関の公式情報を参考にし、正しい書類作成を心がける。
