国際輸送は、すべての国や地域で同じように円滑に進むとは限りません。特に、一部の地域では港湾関係者や税関職員が不正行為することがあり、貨物の盗難や抜き取り、違法な追加料金の請求などの問題があります。
本記事では、国際輸送で発生する代表的なトラブル事例を取り上げ、それぞれのリスクを回避するための対策を解説していきます。
B/Lが全世界で通用すると考えることの危険性
B/Lの機能とその限界
B/L(船荷証券)は、貨物の所有権を証明し、正式な受取人に貨物を引き渡すための重要な書類です。しかし、残念ながら全ての地域でその機能が完全に機能するとは考えない方が良いです。
一部の港では、正規のB/Lを所有していても貨物が第三者に不正に引き渡されることがあります。また、荷下ろしの際に貨物の一部が抜き取られたり、港湾関係者や税関職員が賄賂を要求するなど、不正行為が横行している所もございます。
つまり、B/Lが持つ本来の役割を理解しながら、その限界を把握し、適切な対策を講じることが求められます。
国際輸送で発生する代表的なB/Lトラブル事例
アフリカや中南米などの一部地域では、貨物の盗難が報告されています。特に高価な電子機器や医薬品、自動車本体は、ターゲットになりやすく、港湾内でコンテナが開封される事例もあります。
また、一部の港では、貨物の一部が抜き取られたり、中身がすり替えられることもあります。さらに、B/Lを偽造し、不正に貨物を受け取るケースや、税関職員が「特別手数料」などと称して違法な支払いを求める事例などもあります。
リスクを回避するための具体的な対策
これらのトラブルを回避するためには、信頼できるフォワーダーや物流会社を選定し、輸送の透明性を高めることが重要です。特に、高リスク地域への輸送では、実績のある企業と連携し、貨物の取り扱いに関する管理体制を強化する必要があります。
例えば、フォワーダーと契約する際に、このような「大人の事情」の部分も含めて相談できる所が良いでしょう。また、盗難や破損に備えて、適切な海上輸送保険や貨物保険を活用し、万が一の損失を補償できる体制を整えます。
加えて、通関手続きを厳格化し、不正な要求を回避することも重要です。特に、南アフリカの港では、税関職員が正式な通関書類を無視して追加の支払いを要求することもあります。法律通り全てを突っぱねることもできます。ですが、未だに賄賂が蔓延っている現実を考えると、一定の金額を支払ったた方が総合的にスマートだと考えることも重要です。
最新技術を活用した貨物の監視
貨物の安全性を確保するために、GPSトラッカーや監視カメラの活用が有効です。
例えば、「アルプスアルパインのLong-lifetime Asset Tracker」は低消費電力で広範囲の通信が可能なGPSデバイスであり、長期間にわたる貨物の位置情報の監視ができます。また、「A-TelematicsのAT200BD 4G 多機能GPSトラッカー」は、リアルタイム追跡やアラーム機能を備えており、貨物の不正な移動を防ぐのに役立ちます。
高リスクコクでは、B/Lのコントロールだけでは不十分です。色々なことを総合的に考えて貨物を守る施策を打ちましょう!
まとめ
国際輸送には多くのリスクが伴いますが、適切な対策を講じることでトラブルを最小限に抑えることが可能です。特に、高リスク地域での輸送では、B/Lの管理だけでなく、信頼できる物流パートナーの選定、輸送保険の活用、最新の監視技術の導入など、多角的なアプローチが求められます。貿易者として、最新の情報を常に収集し、柔軟な対応を心がけることで、安全な国際輸送を実現しましょう。