国際輸送では、輸送中に貨物が行方不明になる「貨物ロスト(Cargo Loss)」があります。特に、海上輸送では、貨物の積み替えや長距離移動が発生するため、紛失や誤配送の可能性があります。
この記事では、貨物ロストの原因と対策方法を詳しく解説します。
コンテナ未満輸送(LCL)の紛失(ロスト)トラブル
貨物ロストとは?
貨物ロストとは、輸送中に貨物が紛失または誤配送されることです。港湾、倉庫、船積み中、又は、最終目的地への配送途中で発生することが多いです。
貨物ロストが発生する主な原因
貨物ロストの主な原因は、次の通りです。
1.誤配送
貨物が本来の目的地とは異なる港や倉庫に誤って送られることがあります。これは、積み込み作業時のミスやB/L(船荷証券)情報の誤記載などが原因です。
2.ターミナルや倉庫での管理ミス
港湾や倉庫では大量の貨物が扱われており、貨物のラベルが剥がれたり、管理リストのミスが発生したりすると、貨物が見つからなくなるケースがあります。
3.盗難
貨物は輸送中に盗難に遭うことがあります。特に、高価な電子機器やブランド品などは狙われやすく、コンテナごと盗まれる事件も報告されています。
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4.天候や事故による紛失
悪天候や輸送事故により、貨物が海上に落下したり、破損したりすることがあります。特に海上での転覆事故が起きると、大量の貨物が紛失します。
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5.書類と貨物の突合ミス
コンテナから貨物を取り出すときは、貨物と書類の突合作業をします。この突合にミスがあると、貨物が行方不明になることがあります。
貨物ロストを防ぐための対策
貨物ロストへの対策は、次の通りです。
1.正確な書類管理
B/L(船荷証券)、インボイス、パッキングリストなどの貿易書類は、すべて正確に記載します。特に、貨物の識別番号や配送先情報は大切です。
2. 貨物のトラッキングシステムを活用する
近年、貨物の追跡システムが充実しており、リアルタイムで貨物の現在地を把握できるようになっています。GPSタグやQRコードを活用しましょう。
3. 貨物保険を活用する
貨物ロストのリスクを完全になくすことは難しいため、貨物保険に加入します。特に高額な商品を輸送する場合は、適切な補償を受けられるようにします。
4.適切な梱包とラベリング、ケースマーク
貨物と書類を照合は、ケースマークを基準におこないます。段ボールの外箱部分には、わかりやすく、はっきりしたマークを記載しましょう。このケースマークは、B/Lやパッキングリストなどに記載します。
また、耐久性のある梱包、耐水性のあるラベルの使用もおススメします。
LCLとケースマークの重要性
ケースマークは、別称、シッピングマークや荷印とも言われています。段ボール等の外装部分に荷主を特定できる固有の番号、その他の情報をマークしておくことで、書類と貨物の一致を確認する物です。特に混載輸送(LCL)は、保税倉庫にてバンニングが行われるため、ケースマークが重要です。
貨物が紛失するのは、ケースマークと書類の照合ができないことが原因であることが多いです。ケースマークには、次の項目を記載します。
- マーク
- 仕向港
- ケースナンバー
- 貨物の原産地表示
- 取扱上の注意
- 重量と容積
マークとは、任意のロゴだとお考え下さい。三角と荷主名を組み合わせた物など、皆様自由に作成しています。また、その他の情報についても記載範囲・内容ともに自由です。

重要なことは、書類と貨物を照合できるようにしておくこです。
貿易書類の例
- インボイス
- パッキングリスト
- B/L
- 保険証券
- 原産地証明書
紛失が発生した場合の対応方法
取引するフォワーダー担当者に連絡をしてタリーシートを取り寄せましょう! その後の対応は、フォワーダー担当者とやり取りをしてください。
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まとめ
貨物ロストは、国際輸送におけるスクの一つです。ですが、適切な対策を講じることで、その発生率を大幅に減らせます。書類管理の徹底、トラッキングシステムの活用、倉庫での管理強化、貨物保険の活用など、さまざまな対策を組み合わせて、できるだけ安全性を高めるようにしましょう!
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