フォワーダーの選び方ガイド:最適な物流パートナーの見つけ方 メリット・デメリット

フォワーダーは、国際貿易の要として、輸出入業務を進めるための重要な役割を果たします。しかし、適切なフォワーダーを選ぶことは難しいです。この記事では、フォワーダー選びのポイント、注意点を解説していきます。

フォワーダーとは?選び方からメリット、デメリットまで解説

フォワーダーとは?基本的な役割と特徴

フォワーダーとは、キャリア(船会社や航空会社)と一般荷主(輸出入をする人)の間に入り、輸送サービスを提供する会社です。この場合のサービスとは、輸送スペースの再販売を指します。

例えば、今、日本からアメリカ向けのコンテナ船があるとしましょう。このコンテナ船を運航する会社がキャリアです。仮にこのコンテナ船には、10000本のコンテナを載せられるとします。

キャリアの立場から考えると、一度にできるだけ多くのコンテナを輸送したい所です。当然、貨物を載せるほど、利益額が向上するからです。

但し、本船が出航する期日迄に荷主を集めなければならないです。約10000本ものコンテナスペースを自社(キャリア)のみでは、厳しそうです。そこで、フォワーダーが役割を果たします。

キャリアは、フォワーダーに対して、卸価格でスペースを大量に販売します。そして、フォワーダーは、卸価格で仕入れたスペースに自社の利益を載せて一般荷主に再販売します。

  • キャリアは、一度にまとめてスペースを販売できる。
  • フォワーダーは、船を持たずとも、自社の輸送サービスとして提供できる。

これがフォワーダーの役割です。=船社との違いです。

フォワーダーが提供するサービスの概要

フォワーダーの中心的な役割は、輸送スペースの確保です。それを補完する業務として、以下の物があります。荷主は、必要な部分のみをトッピング形式で依頼ができます。

  • 貨物の輸送手配
  • 船会社の選択
  • 輸送スケジュールの調整
  • 貿易書類の作成と管理(例:輸入許可書など)
  • B/Lの発行
  • 通関手続き
  • 関税等の輸入税の代理納付
  • 国内配送手配(トラック、ドレージ)
  • 倉庫保管の手配
  • 海上保険手配
  • クレームノーティス
フォワーダーの責任範囲

フォワーダーの責任範囲は、輸送契約によって変わります。明らかな手配ミスなどがない限り、海外の売り手と買い手との取引範囲には、フォワーダーの責任はないのが一般的です。その為、荷主は、貨物や取引上のリスクは、海上保険や貿易保険でカバーできるようにしています。

フォワーダー選びの重要性 メリット・デメリット

なぜ、フォワーダーが重要なのでしょうか? 一見すると、荷主とキャリアで直接契約した方が価格が安くなりそうです。これは、旅行商品と同じです。

例えば、観光地へ旅行に行く際、旅行会社のツアーで行った方が安くなるのか? 個人で行った方が安くなるのか? です。間違いなくツアーの方が安くなりますね!旅行で言うと、旅行代理店とフォワーダーの役割は同じです。卸価格で大量に買い付ける為、数の原理により価格が安くなります。

よって、一般荷主は、直接、キャリアと契約するよりもフォワーダー経由の契約の方が価格が安くなる可能性が高いです。また、フォワーダーを通しての予約は多数の選択肢があるので魅力的です。

例えば、フォワーダーAは、船会社A、B、C、Dと契約をしている。フォワーダーAに対して輸送見積もりをすると、フォワーダーA経由で、船会社A、B、C、Dの中から最適な物を選べます。

フォワーダーは、力がある所、得手不得手な部分がはっきりしています。自社に最適なフォワーダーをみつけることで、貿易ビジネスの安定化を図れる魅力があります。

フォワーダーのメリット

  • キャリアとの直接契約よりも輸送価格を下げられる可能性あり!
  • 同じ輸送本数でもお得意様(優遇レートを適用)になれる可能性が高い。
  • 様々な航路、船会社を比較検討できる。

フォワーダーのデメリット

  • 最適なフォワーダーに巡り合うまでが大変
  • 悪徳フォワーダーもいる。
  • コーロードが中心のフォワーダーにあたる可能性あり

フォワーダー選びのポイント

既述の通り、自社にとって最適なフォワーダーに巡り合うのは難しいです。その前提の上、できる限り、その確率を高めるためのポイントをご紹介していきます。

  1. 自社にとって最適か?
  2. 実績、経験を基準にする。
  3. フォワーダーの得意な部分を把握する。
  4. 透明性がある見積もりを提示しているか?
  5. 担当者と密なコミュニケーションが取れるか?
  6. DX化に対応しているか?
  7. イレギュラー時のスペース確保力、対応力

1.自社にとって最適かを検討する。

ある荷主には最適なフォワーダーでも自社だとそうではないことがあります。フォワーダーを選ぶときは、必ず自社に適しているのか?否かを考えるようにしましょう! 誰かの最適は、自社の不適切である可能性は十分にあります。

2.実績、経験を基準にする。

フォワーダーの実績、経験年数を確認します。フォワーダーの公式ウェブサイトを確認し、会社のいきさつ、沿革など、現時点に至るまでの成り立ちを確認しましょう!昔から続けている事業である場合は、比較的、安心です。近年、IT会社がフォワーダー業界に参入していることもあります。それらの会社は、中心業務がITであり、フォワーダー業の実務経験が全くない所も多いです。

フォワーダーの中心的な事業内容、フォワーダー業としての実績、経験があるかを確認します。IT業がベースの場合は、フォワーダーとしてのネットワークが小さく、価格競争力がない場合が多いです。

3.フォワーダーの得意な部分を把握する。

フォワーダーの得意な分野を把握します。把握方法は、すでにその業者を使う荷主様から聞く方法の他、フォワーダーの公式サイトでもわかります。一般的には、次の方法で得意な分野がわかります。

  • 公式サイトのメイン画像を確認:大きく表示するのが得意な分野
  • ナビゲーションバー:上部程、かつ、左に掲載している程、得意な分野
  • 私たちの事業、主要事業と強調されている所は得意。
  • タテレツメニューの場合は、上部にある方が得意。
  • 個別の輸送サービスをアピールしている路線が得意。例:●●国への混載ダイレクトなど。
  • その他、サイト上で何度も出てくるキーワード、強調表示キーワードも要チェック。

逆に避けた方が良いフォワーダーは、全てを一律に記載している所です。

  • あれもできます! これもできます! とにかく何でもやります!的な所
  • 安心と実績などのきれいな言葉のみで表現する所
  • サイト全体で具体性が無く全てが抽象的に感じる所

上記に当てはまるフォワーダーは、ウェブサイトでの集客を完全無視しても事業として成り立っているパターンと、コーローダーと呼ばれるフォワーダー間の中抜き業務だけをしている所が多いです。

際立つ表現、強調表現をしている所が得意分野です。

4.透明性がある見積もりを提示している?

見積は、いくつかのフォワーダーから相見積もりをすることをお勧めします。最低3社ほどです。それらを比較して、見積もり書の透明性を確認します。ざっくりとひとくくりで表示しているフォワーダーは、あとから色々と追加で請求してくる所があります。

例えば、アライバルノーティスに必要な費用を事後的に盛り込むなど。

5.担当者と密なコミュニケーションを取れる?

実際に取引を開始して、直接の担当者と密なコミュニケーションを図れるかを確認します。フォワーダーは、外資が中心となり経営している所も多いです。それらの中には、日本語が堪能でない担当者も多く、コミュニケーションに不便を感じることがあります。

但し、担当者が日本人であっても対応が悪い所もあります。やはり、会社というより、担当者の個人的な技量による部分が大きいと思います。

6.DX化に対応している?

近年、フォワーダー業界は、急速にDX化しています。DX化とは、既存の業務をデジタルの力を使い簡素化することです。フォワーダーの中には、このDX化を推し進めて、旧来の見積もり、追跡、管理、書類発行等を全てシステム上で行えるようにしている所もあります。

今後は、さらにデジタル×フォワーダーの掛け合わせが進むと思います。システム上で全て操作できるので非常に便利です。フォワーダー選定の際には、このDX化も考慮すると良いと思います。

7.イレギュラー時のスペース確保力、対応力が重要

最後は、イレギュラー時(通常とは異なる状況)の際、輸送スペースを確保する力があるのか?などです。

例えば、記憶に新しいのは、流行病による輸送スペースの枯渇ですね!あのとき、フォワーダーは、完全に二分されていました。

  • 輸送スペースを確保できるフォワーダー
  • 確保できないフォワーダー

なぜ、このような違いがあるのでしょうか?

それは、フォワーダー各社と船社との結びつきの強さに秘密があります。船会社との結びつきが強いフォワーダーは、輸送スペースが厳しい中でも変わらず確保できていました。何からスペースを確保できないフォワーダーにスペースを売却していた程です。フォワーダーが頼るフォワーダー。そんなフォワーダーと長期的な関係を築けると強いです。

他、韓進海運の倒産に代表されるように、輸送中で船会社自体が倒産することもあります。このような際、しっかりと対応できるフォワーダーであるのかも確認するべき観点です。

フォワーダーの探し方

フォワーダーは、次の方法で見つかります。

  1. フレイトフォワーダー協会から選ぶ
  2. 一括見積もりサイトから検討する。
  3. フォワーダー各社の見積もりフォームから問い合わせる。
  4. DX化しているフォワーダーの簡易見積もりツールから問い合わる。

お勧めは、4番のフォワーダーが提供する簡易見積もりツールを利用することです。このツールを使えば、貨物の大きさ、積み地、荷揚げ地を選ぶだけで、およその輸送価格がわかります。最近では、コンテナ輸送(FCL)にも対応しているのでお勧めです。

なお、海コン119でもお見積もり依頼を受け付けています。最適なフォワーダーをご案内しますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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何度か依頼をして判断する事

いくつかの候補が見つかったら実際に何度か使ってみましょう!取引が完了するまでの一連の流れを通して、継続的に使いたいフォワーダーなのか? サブ的なフォワーダーなのか?又は、取引をやめるべきフォワーダーなのかを判断しましょう!

まとめ

  • 自社にとって最適か?
  • 実績、経験を基準にする。
  • フォワーダーの得意な部分を把握する。
  • 透明性がある見積もりを提示している?
  • 担当者と密なコミュニケーションが取れる?
  • DX化に対応している?
  • イレギュラー時のスペース確保力、対応力

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