コンテナ輸送の専門企業、フォワーダーから有利な輸送条件を引き出すには? 今回は、優良荷主とみなされる条件を理解し、より収益性が高い輸送条件を引き出すコツをお伝えします。
フォワーダーから有利な条件を引き出せる荷主
フォワーダーとは、キャリアと荷主間に立ち輸送スペースの仲介をする企業です。フォワーダーの特徴は、原価や売価がどちらも自由である点です。
- 原価は、フォワーダーとキャリア(船会社)との契約に基づく価格
- 売価は、フォワーダーと荷主との契約に基づく価格
つまり、フォワーダーは、どちらに対しても長期的な関係やスペース販売力により、比較的、自由に価格を得られる(キャリからスペースを買う)又は提示(荷主へスペースを販売する)できます。
フォワーダーから有利な輸送条件を得るには?
フォワーダーは、原価と売価がどちらも自由です。よって、フォワーダーにとっては、自社にとってより多くの利益をもたらす荷主が優良顧客です。
例えば、新規取引の開設を依頼してきた荷主又は、スポット依頼の荷主には、一般的な価格を提示する。逆に優良顧客に対しては、より有利な価格を提示するなどです。荷主の輸送実績に基づき、弾力的に見積もりを提案しています。
フォワーダーにとっての優良顧客(荷主)の条件を理解することが、貴社にとって有利に働くと考えてもいいでしょう。
では、フォワーダーにとっての優良顧客とは何でしょうか? いくつかの具体例をご紹介します。
- 定期的&安定した依頼
- 支払い関係のトラブルがない。
- 度が過ぎた無理難題を押し付けない。
- 書類と荷物の同一性が高い&書類不備が少ない。
- 適切な梱包やラベリング
- 円滑なコミュニケーションができる。
定期的&安定した依頼
フォワーダーにとっては、定期的な輸送依頼があることが望ましいです。スポット依頼、緊急時のみに依頼してくる荷主は、好まれないです。
長期的な関係を築こうとする荷主は、好まれます。短期的、スポット的な考え方、スーパーの価格比較のようなことをする荷主は嫌われます。
支払い関係のトラブルが少ない。
例えば、輸入貨物を引き取る際のアライバルノーティスに記載されている費用の支払いの迅速さ、立替金等の遅延は印象が非常に悪いです。2024年現在、立替制度は、非常に嫌われます。新規取引を希望される場合は、リアルタイム口座をお勧めします。
金払いの良い荷主は、好かれます。
フォワーダーの業務範囲を理解している
フォワーダーの業務範囲は、国際輸送です。輸送に関連するとして何でも質問する荷主は、好まれないです。フォワーダー業務範囲、荷主がやるべき業務範囲を正しく理解することが重要です。
例えば、フォワーダーに対して、以下のことを聞いている場合は、あまり好まれていないです。
- 相手国の他法令を確認してほしい。
- 食品の輸入方法を教えてほしい。
- 植物防疫法の受け方を教えてほしい。
- 書類作成の方法を教えてほしい
などです。フォワーダーは、貿易に関する何でも屋ではないです。基本的に輸入や輸出に関するルールの理解、必要な書類の用意、検疫条件の確認等は、全て荷主がやるべきことです。
フォワーダーの業務範囲を理解している荷主は好まれます。
ゆしゅ書類と荷物の同一性が高い。=書類不備が少ない。
- インボイスの価格がデタラメ。
- 文字がつぶれて見えない。
- 書類と商品の個数が違う。
- コンテナを開封したら、申告外の貨物が見つかるなど。
フォワーダーは、書類を基準に輸送できるかを判断しています。その為、書類と貨物の内容が同じであることが前提です。
常に書類の内容が正確で貨物内容と一致している荷主は好まれます。
適切な梱包やラベリング
輸送上のリスクを下げられる一つの方法は、適切な梱包、ラベリングの実施です。特に危険物に該当する貨物を輸送する場合は、より厳格な梱包やラベルを必要とします。
例えば、中古のエンジンを輸送するとしましょう。この場合、エンジンから全ての燃料類を排出していれば、一般貨物としての輸送はできます。燃料が入っている場合は、輸送不可です。(危険物)
輸送貨物に最適な梱包を実施する荷主は、好まれます。
円滑なコミュニケーションができる。
最後は、フォワーダーの担当者と荷主側の担当者とのコミュニケーションです。結局、最後は担当者と担当者との人付き合いです。円滑なコミュニケーションは、フォワーダーも重視しています。
上から目線の人、何でも人のせいにする方、休日や時間等お構いなしの方、仕事の処理が遅い方は、フォワーダーであっても、荷主側であっても取引を避けたいと考えるはずです。
まとめ
フォワーダーにとって優良顧客となる荷主は、安定した輸送量を提供し、信頼性の高い支払いを行い、長期的な契約関係を維持することが求められます。また、コミュニケーションが明確で柔軟性があり、適切な書類管理と梱包を行うことも重要です。市場情報を共有し、技術を活用し、環境に配慮した取り組みを行うことも、フォワーダーにとっての優良顧客となる条件です。