Hanjin Shipping(2016年)負債5,000億円!経営破綻による物流混乱

2016年8月31日、韓国最大の海運会社であるHanjin Shipping(韓進海運)が経営破綻を発表。突然の倒産は、世界の物流業界に大混乱をもたらしました。

この記事では、Hanjin Shippingの経営破綻の概要、原因、影響、リスクを避けるための対策について解説します。

Hanjin Shipping経営破綻の概要

Hanjin Shippingは、かつて韓国最大の海運会社であり、世界的にも有数のコンテナ輸送企業でした。(世界第7位のコンテナ輸送会社)しかし、2016年8月31日、債務超過による経営破綻を発表し、同社の運航していた船舶や貨物が世界各地で差し押さえられる事態となりました。

Hanjin Shippingの破綻は、特にアメリカやヨーロッパ向けの輸送に大きな影響を与えました。世界中の港湾で同社のコンテナ船が入港拒否され、荷主は貨物を受け取ることができない状況に陥ったのです。

破産総額は5兆6000億ウォン(50億米ドル)と言われています。特に問題な点は、この破産があまりにも「急であったこと」です。海洋上で破産したことで大混乱しました。

Hanjin Shipping破綻の原因

Hanjin Shippingの経営破綻の主な原因は以下の3つにまとめられます。

1. 過剰な船舶発注と市場の悪化

2008年の世界金融危機後、海運業界は景気回復を見越して大量の船舶を発注しました。しかし、需要の伸びが予想よりも低迷し、供給過多の状態になりました。その結果、運賃が急落し、多くの海運会社が経営不振に陥りました。

2. 債務の増大と資金調達の失敗

Hanjin Shippingは新造船の購入や事業拡大のために過剰な負債を抱えていました。資金調達を進めるも、主要取引銀行が追加融資を拒否したため、運転資金を確保できなくなりました。

3. 韓国政府の支援打ち切り

韓国政府は当初、Hanjin Shippingの救済を検討していましたが、最終的に公的資金の投入を見送りました。結果、同社は資金繰りが行き詰まり、経営破綻しました。

破産宣告の日付は2017年2月17日です。

破綻の影響

Hanjin Shippingの経営破綻は、世界中で多大な影響を与えました。

1. 貨物の輸送停止と納期遅延

Hanjin Shippingの倒産直後、同社の船舶は各国の港で入港を拒否される事態となりました。これにより、積載されていた貨物が港に降ろせず、長期間海上で足止めされることになりました。

ここが最大の問題点です。力があるフォワーダーは、自社の荷主に対して、赤字を覚悟の上、代替輸送等を実施しました。例えば、ジャパントラスト株式会社は、このようなイレギュラー時の対応力が非常に評価されているフォワーダーです。

2. 物流コストの上昇

Hanjin Shippingの倒産によって、貨物を輸送するための選択肢が少なくなり、他の海運会社の運賃が急騰しました。特に、北米航路では運賃が数倍に跳ね上がり、荷主にとって大きなコスト負担となりました。

しわ寄せにより輸送料金が一気に上昇しました。

3. 貨物の差し押さえと損失

Hanjin Shippingの債務不履行により、一部の荷主の貨物が差し押さえの対象となり、荷主は貨物を受け取れないケースが発生しました。=多くの企業が巨額の損失を被りました。

韓進に対する差し押さえの対象が荷主の貨物に及んでいる点が非常に注目しなければならない点です。

この事態から学ぶべきポイント

Hanjin Shippingの破綻は、荷主にとって他人事ではありません。今後同じような事態を避けるために、以下の対策が重要です。

1. 信頼できるフォワーダーと契約する

海運会社の経営状況は常に変動するため、フォワーダー(貨物輸送の仲介業者)を活用し、リスク分散を図ることが重要です。フォワーダーは複数の海運会社と取引を行っているため、万が一特定の海運会社が破綻しても代替輸送を手配できます。

フォワーダーの選び方ガイド:最適な物流パートナーの見つけ方 メリット・デメリット

フォワーダーの真価は、イレギュラー時の対応力にあります。力がないフォワーダーは、そのまま一緒に倒産することもあります。

2. 海上貨物保険を活用する

万が一の事態に備え、貨物の損失や輸送遅延に対する保険を適用することが大切です。特に、フォワーダー経由で保険を契約することで、リスクを軽減できます。

3. 海運会社の財務状況をチェックする

貨物を預ける前に海運会社の財務状況や経営の安定性を確認することが重要です。業界ニュースや格付け会社の評価をチェックし、経営が不安定な企業の利用を避けることも重要です。

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まとめ

  • Hanjin Shippingの破綻:海運業界の不況や過剰な負債により発生
  • 主な影響:貨物の輸送停止、物流コストの上昇、貨物の差し押さえ
  • リスク対策:信頼できるフォワーダーの活用、海上貨物保険の加入、海運会社の財務状況の確認。

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