日本の中古農機具は高品質で耐久性があり、海外市場で人気があります。特に、アジア、アフリカ、南米などの農業国では、日本製の中古農機具の需要が高いです。
この記事では、日本から各種農機具を海外に輸出する際の国際輸送方法、通関手続き、輸送時の注意点について解説していきます。
中古農機具の国際輸送
中古農機具の輸出対象となる主な品目
代表的な農機具は次の通りです。
- トラクター(小型・大型)
- コンバイン(稲刈り機)
- 田植え機
- 耕運機(ロータリー式・ディスク式)
- ハーベスター(収穫機)
- ブームスプレイヤー(農薬散布機)
- 牧草ロールベーラー
- ディスクハロー(耕起機)
- プラウ(鋤)
- 播種機(種まき機)
- 肥料散布機
- ドローン(農薬散布用)
主な輸出先国と市場動向
中古農機具の需要は国や地域によって異なります。以下は日本の中古農機具が人気のある主要輸出先です。
アジア(フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア)
小型トラクターや田植え機の需要が高い。
アフリカ(ケニア、ナイジェリア、タンザニア)
耐久性のある中古トラクターが求められる。
中南米(ブラジル、アルゼンチン、ペルー)
大型のコンバインや収穫機が主流。
欧州(ポーランド、ウクライナ)
中古のハーベスターやプラウが人気。
オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)
大型農機具の需要があり、品質基準も高い。

昨今、日本では、中古農機具の販売が減少している為、その意味でも今後も海外への輸出が増える見込みです。
中古農機具の国際輸送方法
農機具の主な輸送方法は、次の通りです。
1.RoRo(Roll-on/Roll-off)船輸送
農機具をそのまま走行させて積み込み・積み降ろしを行う方法です。大型のトラクターやコンバインなど、分解が難しい機械に向いています。
2.フラットラックコンテナ輸送
農機具をフラットラックコンテナ(側面が開いているコンテナ)に積載する方法です。大型農機具や高さのある農機具に最適です。
3.40ft・20ftコンテナ輸送(分解積載)
一部の部品を取り外し、40フィートまたは20フィートコンテナに積み込む方法です。コンパクトに収めることで輸送コストを削減できます。

日本にいる外国人の方がよく利用する輸送方法です!
4.LCL(Less than Container Load)混載輸送
小型農機具や部品単体を輸送する場合は、LCL(コンテナ共有)が最適です。
輸送時の梱包・固定方法
農機具の輸送は、次の点に注意します。
ラッシング(固定)
貨物を固定すること=ラッシングです。船体の揺れ、貨物輸送時の揺れに耐えられるようにします。
- 例:トラクターのタイヤをワイヤーやチェーンで固定。
- 例:木枠やウッドブロックを使用し、機械が動かないようにする。
防錆・防汚対策
機械ものは、錆や湿気との戦いです。
- 海上輸送では塩害対策として防錆スプレーを使用。
- 機械の可動部分にはグリスを塗布
オイル&燃料の抜き取り
- 燃料・オイルが残っていると輸送不可のため、事前に抜き取る。
- バッテリーは取り外し、ショートを防ぎましょう!
通関手続きと必要書類
中濃器具を輸出するときは、各国の規制を確認し、必要な書類を準備します。
主要なHSコード
- 8701.10.00(トラクター)
- 8433.51.00(コンバイン)
- 8432.80.00(耕運機・プラウ)
- 8802.11.00(農業用ドローン)
必要な書類
- インボイス(Commercial Invoice):機械の詳細、価格、取引条件を記載。
- パッキングリスト(Packing List):梱包内容や重量
- B/L(船荷証券):貨物の所有権を示す書類。
- 輸出許可証(国によっては必要)
- 原産地証明書(Certificate of Origin):関税優遇を受けるために使用。
- 環境・排ガス証明書(規制のある国向け)

日本から輸出する場合は、相手国側で必要とされる書類、要件を確認します。国によっては中古品に強い規制を設けている所もあるため注意しましょう!
国際輸送時のトラブルと対策
中古農機具の輸送における、よくあるトラブルは、次の通りです。
- 輸送遅延
- 輸送中の損傷
- 通関トラブル
輸送遅延
- 船舶スケジュールの変更、港湾混雑による遅れ。
- 余裕を持った輸送計画を立てる。
輸送中の損傷
- ラッシング不備による転倒や振動での部品破損。
- 厳重な固定と衝撃吸収材を活用。
通関トラブル
- 必要書類の不足、排ガス規制違反。
- 事前に輸入国の規制を確認し、適切な書類を準備

通関トラブルは、一にも二にも確認不足です。これだけです。必ず輸出国側(日本)と相手国側の輸入規制を確認し、必要な書類等を確認しましょう!
まとめ
- 中古農機具はアジア、アフリカ、中南米などで高い需要がある。
- RoRo船、コンテナ輸送、分解積載など輸送方法を選択。
- 適切な梱包・ラッシングで輸送中の損傷を防ぐ。
- 通関手続きにはインボイス、B/L、環境証明書が必要。
- トラブルを回避するため、事前準備とサプライヤーとの調整が重要
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