海上コンテナ輸送は、貿易上、最も使われる輸送手段です。しかし、輸送する商品によっては、最適な梱包方法、輸送手段、注意点が異なります。
この記事では、自動車、電子機器、食品や化粧品などの品目別に梱包方法、最適な輸送方法、手段、注意するべきポイントを解説していきます。
品目別 海上コンテナ輸送ガイド
リチウムイオン電池・鉛電池・モバイルバッテリー
リチウムイオン電池は、危険物に該当します。航空、海上のどちらでも輸送できます。しかし、一度に大量に運ぶ場合は海上輸送一択です。リチウムイオン電池のワット数、セル、バッテリー重量などにより必要な要件が変わってきます。
- 梱包方法: 専用のUN規格の防爆包装材に梱包すること。UN規格とは、国際的に危険物の輸送ができることを証明する基準です。関連キーワード:KHK規格
- 電池を衝撃から保護するクッション材を使用する。
- 電池の端子部分を保護する。&電池同士が干渉しないように十分に注意する。
- 輸送手段: 一般のコンテナでも可能(危険物ラベルの表示義務等あり)
- 輸送上の注意点: 温度、振動、発火等に気を付ける。適切なラベル表示を行う。
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電気自動車
- 梱包方法: 専用の自動車輸送コンテナに固定。又は、一般の40フィートコンテナ等に入れます。中国から輸入する電気自動車等は、梱包が雑です。大きく損傷していることも多い為、売り手側に梱包について強く要望することが重要です。
- 輸送手段: RORO船または専用コンテナを使います。
- 輸入後、実際に登録をする場合、通関時の書類が必要です。
- 輸送上の注意: 電気自動車の電池の取り扱いに注意し、振動や衝撃を最小限にする。
パソコン(ノートパソコン含む)
- 梱包方法: ノートパソコンは温度、衝撃に弱いです。個別の防振材付き段ボール箱に梱包します。その後、パレットに積載し、ストレッチフィルムで固定します。
- 輸送手段: 標準又は温度管理コンテナ。標準コンテナの場合は、温度、湿度、揺れに注意が必要です。標準コンテナを使いつつ、定温にする資材等もあります。
- 輸送上の注意点: 防湿対策し、振動や衝撃を避けるためのクッション材を使用
自動車
自動車の輸送は、上下、左右に自由自在にバンニングします。自動車のバンニングは、ある種の芸術です。YOUTUBE等で検索してみましょう!
- 準備:ヤード内にて自動車の内外をキレイにする。
- 輸送方法は、コンテナ船とRORO船の2つがある。
- コンテナ内でしっかりと固定することが重要
- 主な固定方法:タイヤの前後にホイールブロックを設置。吊り下げ等
- コンテナ内で上下二段で固定していることも多い。
- その他、輸出するための諸手続きが多くある。
- 輸送上の注意点: コンテナ内の固定方法にスキルが必要です。
木炭
- 最重要ポイント:濡れると燃焼効率が下がる為、防湿対策が重要
- 防湿性の高いポリエチレンやポリプロピレン製の袋を使う。
- 5、10、20kgなどの小袋を使用する。これら袋をパレットに載せる。
- 可燃性物質に該当するため、火気厳禁等の表示が必要
- コンテナ内で通気を確保し、ガスが溜まることを防ぐ。
- 輸送手段: 標準コンテナです。
- 輸送上の注意点: 火気厳禁 十分な通気を確保し、湿気防止対策を行います。
ワインや日本酒
ワインは、小規模で輸送する場合と大量に輸送する場合で梱包方法がかわります。比較的、少量(例:ダンボール箱単位)の場合は、お酒の輸送用に開発されている発泡スチロールを使います。少量の場合は、少量輸送が得意な輸送業者に依頼をします。大量の場合(業務用)は、リーファーコンテナの取り扱いが得意なフォワーダーに依頼します。
- ボトル保護: 各ボトルを発泡スチロールやエアキャップで包み、破損を防ぐ。
- 内側: 段ボール箱の中に仕切り等を入れて、ボトル同士がぶつからないようにする。
- ダンボールは、強度性が高いダブルウォールを使う。
- その他、緩衝材等を使い振動や衝撃などから保護する。
- ダンボールをパレットに載せた後、ストレッチフィルムで巻く
- 輸送手段: リーファーコンテナ
- 輸送上の注意点: データロガーを使い温度管理を徹底する他、振動や衝撃を避ける。
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米
米は、輸出側、輸入側のどちらにも強い規制があります。輸送手段の検討の前に、規制をクリアできるのかを考えてみましょう!
- 特に重要な点:コメは、湿気に弱いため、防湿対策をする。
- 防湿性の高いポリエチレン(PE)内袋付きの麻袋やポリプロピレン(PP)袋を使う。
- 袋サイズは、30KG前後/袋が理想。その後、パレットに載せてストレッチフィルムを巻く。
- 湿度に弱いため、コンテナに通気口(排出装置)を設けて空気の流れを確保する。
- 輸送手段: 基本は、標準コンテナでOKです。但し、ルートによっては定温輸送が必要
- 輸送上の注意点: 湿気を防止して虫害を防ぎます。
冷凍品や冷蔵品
- 個別包装:冷凍(冷蔵)やけを防ぐ為、プラスチックフィルムや真空パックなどで密封する。
- 上記をダンボールか発泡スチロール箱に入れる。
- ダンボールをパレットに載せてストレッチフィルムで巻く。
- 冷凍帯の温度設定を抜かりなく確認する。
- コンテナ内の空気の流れを妨げないように間隔をとる。
- 輸送手段: 冷凍コンテナ(定温コンテナ)
- 輸送上の注意点: リーファーコンテナの設定可能温度を確認すること。
アパレル
アパレル品を輸送する場合は、ダンボール等への梱包する方法の他、ハンガーコンテナと呼ばれるアパレル専用のコンテナがあります。
- 梱包:一般的な衣類の場合は、プラスチックの袋で包装して汚れや湿気から守る。
- 梱包:高級依頼の場合は、通気性が高い紙袋で包装する。
- 上記の個別包装済の商品を強化ダンボールに入れます。
- この段ボールをパレットに積載します。
- 輸送手段: 標準コンテナ又は、ハンガーコンテナ
- 輸送上の注意点: 乾燥剤、防虫剤を利用し湿気や害虫から守る。
化粧品
化粧品を含むケミカル製品は、リーファーコンテナを使い輸送することが多いです。又は、標準コンテナであっても定温化できる資材を活用して輸送します。どちらの場合であっても、赤道直下では、コンテナ内の温度が60℃以上になることを想定します。
- 全体:個別包装が原則
- ガラス瓶等に入っている場合は、気泡緩衝材(バブルラップ)で被う。
- 外箱と内箱の二段階で考える。
- 外箱は、強固な強化ダンボールがお勧め
- 内箱がグラグラと揺れないようにする。
- 内箱内の固定も忘れずにする。(クッション材など)
- 外箱を積み上げてパレットに載せた後、ストレッチフィルムでぐるぐる巻きにする。
- 輸送手段: 標準コンテナまたは冷蔵コンテナ(温度管理が必要な場合)。
- 輸送上の注意点: 温度と湿度管理を行い、漏れ防止対策を施す。
木材
木材は、原木と製材に植物防疫法上の決定的な違いがあります。原木に該当する物は、植物防疫法の対象です。他、ワシントン条約で規制されていないかも確認しましょう!
- 輸送準備:輸送前に完全に乾燥させてカビなどを防ぐ。中のカビや腐敗を防ぐ
- 輸送準備:木材に防虫処理をする。=害虫被害を無くす。
- 木材の結束方法:金属製又はプラスチック製のバンドを使い、木材を求める。
- 木材の保護:バンドが木材に食い込まないようにプロテクターをする。
- 輸送方法:オープントップコンテナ又はフラットラックコンテナ
- オープントップコンテナの場合は防水シートに注意
- 他:木材と木材のぶつかりあいを防ぐ。
- 輸送上の注意点: 防湿対策と固定方法に要注意
木質ペレット
- 高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)製の防湿袋を使用する。
- 20KG単位の個別の袋又は、1トンバッグに詰める。
- 上記をパレットに積載する。
- コンテナ内部に防湿ライナーを敷く。
- 梱包方法: 防湿性のある袋、バルクバッグに梱包しパレットに積載します。
- 輸送手段: 標準コンテナ。
- 輸送上の注意点: 湿気防止対策を行い、虫害を防ぎます。
肥料
- 高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)製の防湿袋を使用する。
- 外袋と中袋の二重構造にすると良い。
- 30KG前後の小袋又は、1トンバッグを使用する。
- 上記をパレットに積載する。
- 梱包方法: 防湿性のある袋に梱包。パレットに積載。
- 輸送手段: 標準コンテナ。
- 輸送上の注意点: 湿気防止対策と通気を確保する。
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