スリップシート輸送の落とし穴!海上コンテナで起こる問題と対策

国際輸送では、貨物の積み込みや取り扱いの効率を上げるために「スリップシート」を使うことがあります。これはパレットの代わりに使われる薄いシート状の梱包資材で、コスト削減や環境負荷の軽減に役立ちます。

しかし、スリップシート特有の問題が発生することもあります。本記事では、スリップシートの問題点とその解決策を解説していきます。

国際輸送とスリップシートとは?

スリップシートは、一般的な木製パレットの代替品として使用されるシート状の梱包資材です。通常、紙やプラスチックで作られており、フォークリフトに取り付ける専用の「プッシュプル装置」を使って貨物を移動します。従来のパレットよりも軽量、スペースを取らないため、コストの削減や積載効率の向上につながります。

スリップシートのメリットは、コスト削減があります。通常のパレットを使う場合、木材の重量が追加されるため、輸送コストが増加します。

しかし、スリップシートは極めて軽量なため、運送費を抑えられます。また、木製パレットは輸出入時に検疫の対象になることがあり、処理が必要になるケースもありますが、スリップシートならその手間も省けます。

検疫対象にならないのも利点です。

海上コンテナ輸送におけるスリップシートの問題点

スリップシートには多くのメリットがある一方で、海上コンテナ輸送では特有の問題が発生します。

最も大きな課題は、積み降ろし時の取り扱いの難しさです。スリップシートを使用する場合、専用のプッシュプル装置が必要です。しかし、すべての倉庫や港でこの装置が使えるわけではありません。特に海外の一部の港では、対応していないことがあり、その場合、貨物の取り扱いが難しくなります。

貨物の安定性にも不安が!?

スリップシートを使用すると貨物の安定性が低くなることがあります。パレットは貨物を固定する役割を果たしますが、スリップシートの場合、貨物が直接積み重ねられるため、輸送中の揺れや衝撃によってズレが生じることがあります。特に長距離の海上輸送では、波による揺れや積み重ねられた他の貨物の影響を受け、荷崩れのリスクが高まります。

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コンテナ内の湿度などによる影響

コンテナの内部環境も問題のひとつです。海上輸送では、コンテナ内部の湿度や温度が大きく変化することがあります。紙製のスリップシートは湿気を吸収しやすく、湿度が高い環境では強度が低下し、破れやすくなることがあります。

よくあるトラブル事例とその対策

スリップシートを使った輸送でよくあるトラブルのひとつに、受け取り側の対応設備不足があります。

例えば、日本から海外へスリップシートを使って輸送した場合、現地の倉庫にプッシュプル装置がないと貨物の取り扱いが難しくなります。その結果、追加の設備を手配する必要があり、予想以上のコストが発生することがあります。このような問題を防ぐためには、事前に配送先の倉庫や物流拠点がスリップシートに対応しているかを確認しておくことが重要です。

輸送中の荷崩れトラブル

輸送中の荷崩れを防ぐためには、適切な梱包が必要です。スリップシートを使用する場合は、貨物の形状を均一にし、ズレを防ぐためにストレッチフィルムやバンドを利用することが推奨されます。特に、コンテナ内で貨物同士がぶつからないようにスペーサーを活用することで、安定性を高められます。

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湿度による問題を解決するためには、耐湿性の高いスリップシートが重要です。紙製ではなくプラスチック製のスリップシートを使用すると、湿気の影響を受けにくくなります。また、コンテナ内部の湿度管理を徹底するために、除湿剤や乾燥剤を使用することも効果的です。

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スリップシート輸送を成功させるためのポイント

スリップシートを使った輸送を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。まず、輸送の前に受け取り側の設備を確認し、スリップシート対応のフォークリフトがあるかをチェックしましょう。対応していない場合は、事前に適切な設備を手配することが必要です。

貨物の固定方法を最適化

貨物の固定方法の工夫も重要です。スリップシートを使用する場合、通常のパレットよりも貨物が動きやすいため、しっかりと固定することが求められます。ストレッチフィルムやバンドを活用し、輸送中にズレないようにしましょう。

、貨物の性質に応じたスリップシートを選ぶこともポイントです。紙製のスリップシートは軽量でコストを抑えられる反面、湿気に弱いという欠点があります。湿度が高い地域への輸送では、プラスチック製のスリップシートを選ぶことで、輸送中のトラブルを防げます。

まとめ

スリップシートを使った海上コンテナ輸送には、コスト削減や積載効率の向上のメリットがある一方で、取り扱い設備の不足や輸送中の荷崩れ、湿度による劣化といった問題も発生しやすいです。これらの問題を回避するためには、受け取り側の設備確認、適切な固定方法の採用、そして環境に応じたスリップシートの選択が重要です。しっかりとした準備をすることで、安全で効率的な輸送を実現しましょう。

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