コンテナ輸送トラブル・盗難被害
海外から輸入したコンテナを開けたら、中身が空だった。
実は、このようなことは珍しくないです。最近は、海上コンテナの盗難や不正開封が増加している状況です。
この記事では、海上コンテナの盗難の原因や、防ぐ方法、万が一輸入品が盗まれた場合の対処方法について解説していきます。
海上コンテナの盗難はなぜ発生する?
国際輸送では、貨物が様々な経由地を通過するため、盗難されるリスクがあります。特にコンテナターミナル、港湾倉庫などは危険です。そこに勤める作業員、港湾職員の他、ドレーの運転手などが盗難することがあります。
- コンテナターミナルや港湾倉庫の貨物盗難
- 輸送途中での盗難(トラック運転手)
- 輸送業者や関係者の不正行為
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一時保管場所のセキュリティの甘さ
港や倉庫のセキュリティ管理が不十分な場所で盗難が発生しやすいです。特に、監視カメラの設置が不十分だったり、夜間の警備体制が手薄だったりすると危険です
シールやロックの不正開封
輸送中のコンテナには、シールやロックが取り付けられます。ですが、これらのみでは盗難を完全に防げないです。巧妙な手口でロックを開け、中身だけを抜き取られることもあります。もし、貨物を受け取った際、シールが偽物と入れ替えられている場合は、途中で開封されたことを疑いましょう!
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内部関係者による犯行
港や倉庫、輸送業者の内部関係者も注意します。輸送ルートやコンテナの中身を把握している者が情報を漏らすことで、計画的な盗難が行われることがあります。
コンテナ輸送の盗難の事例
- コンテナ輸送してきた貨物の一部が無くなる。
- LCL輸送(コンテナ未満輸送)してきた貨物の数が合わない。
*特にLCL貨物は、盗難被害に遭いやすいです。
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特に狙われやすい商品例
特に汎用性や換金性が高い以下の商品は、盗難被害にあいやすいです。
- ブランド品
- 自動車部品
- 電子子機器
- 医薬品
- アルコールやタバコ
- 建築資材
- 金属およびスクラップ
盗難防止の観点から、ケースマークには、一目で貨物内容を判断できないようにした方が良いです。商品内容は記載せず、少しふわっとした表現にします。

外部から簡単に商品内容がわからないようにすることが重要です。
盗難を防ぐための対策
残念ながら、盗難被害を防止する方法は限られています。
- 盗難さないようにケースマークを工夫する
- 強固なシールにする
- 適切な海上貨物保険に加入するなどの方法
- 貨物が届いた時点で書類と内容の確認を徹底する。

依頼者側でできることは限られています。
1.強固なセキュリティシールを使用する(セキュリティグッズの導入)
高強度のボルトシールや電子シールを使用することで、不正開封を防げます。電子シールは開封された場合にアラートを送る機能があります。
- ボルトシール
- ケーブルシール
- 電子シール(PFID)
- ハイセキュリティシール
2.コンテナのGPS追跡を導入する
最近では、GPSを利用して、コンテナの位置情報をリアルタイムで確認できるシステムがあります。
3.取引先や倉庫の信頼性を確認する
貨物を取り扱う業者の信頼性を確認することも重要です。実績のあるフォワーダーや倉庫を利用し、セキュリティ体制が整っているかをチェックしましょう。
4.海上貨物保険(外航貨物海上保険)を活用する
貨物保険に加入しておくことで、盗難が発生した際の損失をカバーできます。特に高額な商品を扱う場合は、包括的な保険プランを選択することが望ましいです。
- 三井住友海上火災保険
- 三井住友海上リスクサービス
- 住友海上火災保険
- 日本興亜海上火災保険
- あいおいニッセイ同和損害保険

外航貨物海上保険には、盗難被害を補償するものもあります。(抜荷)
輸入品コンテナが空だった場合の対応
万が一、盗難されていた場合は、迅速に対応しましょう!
貨物の状態を記録しよう!
コンテナのドアを開ける前に、シールの状態やロックの異常を確認し、写真を撮影しておきます。開封後に盗難が判明した場合は、すぐにその場の状況を記録し、証拠を残します。
通関業者やフォワーダーに連絡する
異常がある場合は、通関業者やフォワーダーに直ちに連絡し、状況を報告します。彼らは同様のケースに対する対応策を知っています。
保険会社へ損害報告をする
貨物保険に加入している場合は、保険会社に連絡して損害報告を行います。報告時には、貨物の詳細や輸送ルート、異常が発生した場所などを正確に伝えます。
税関や警察に届け出を行う
税関や警察に盗難届を提出し、調査を依頼します。特に税関では、貨物の輸送履歴を把握しているため、どの地点で異常が発生したのかを調査するのに役立ちます
まとめ
- 海上コンテナの盗難は、港や倉庫のセキュリティ不足、不正開封、内部関係者の関与によって発生することが多い。
- 盗難を防ぐためには、強固なシールの使用、GPS追跡の導入、信頼できる業者の選定、貨物保険の活用が有効。
- コンテナが空だった場合は、貨物の状態を記録し、通関業者やフォワーダー、保険会社、税関・警察に速やかに連絡することが重要
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