コンテナ汚損で大損害!国際輸送トラブルの実態と防止策

国際輸送では、コンテナを汚損(汚くすること)することがあります。コンテナは世界中を移動するため、前回、コンテナを使用したときの貨物の残留物やカビ、錆び、油汚れなどが付着したまま再利用されることがあります。特に、食品、医薬品、精密機器などを輸送する際には、コンテナの汚れや異臭が問題になることが多いです。

本記事では、コンテナ汚損の具体的な事例と対策について詳しく解説します。

コンテナの汚損トラブル

コンテナ汚損の主な原因

コンテナの汚損トラブルの原因は、様々です。代表例は、次の通りです。

1.前回の貨物の残留物

コンテナは複数の輸送業者により繰り返し使用されるため、前回の貨物の残留物が清掃されないまま次の輸送に使用されることがあります。特に、液体や粉末状の貨物が輸送された場合、その残留物が次の貨物に影響を与えることがあります。

2.湿気や結露によるカビ・腐食

海上輸送では、高湿度の環境に長時間さらされるため、コンテナ内で結露が発生し、カビや錆びが発生することがあります。特に、木材や紙製品、布製品などの吸湿性の高い貨物は要注意です。

3.化学物質の付着や異臭

化学製品や溶剤などを輸送したコンテナは、内部に異臭や化学物質の残留が発生することがあります。このようなコンテナを使い、食品や医薬品を輸送すると大きな問題になります。

4.オイル漏れや汚泥の付着

機械部品やエンジンなどの油を含む貨物を輸送したコンテナでは、オイルが床や壁に残ることがあります。

具体的なコンテナ汚損トラブル事例

事例1:食品輸送中に異臭が発生

ある食品輸入業者が冷蔵コンテナを使用して果物を輸送した際、到着時に異臭が発生していることが判明しました。原因を調査したところ、前回の輸送で化学薬品が積載されており、その残留臭が果物に移ってしまったことが分かりました。この影響で、輸入品の大部分が廃棄処分となり、大きな損害を被ることになりました。

事例2:紙製品がカビだらけに

紙製品を輸入する際、コンテナ内部が結露していたため、貨物が湿気を吸収し、カビが発生するトラブルが発生しました。コンテナの換気が不十分であったため、海上輸送中に湿気がこもり、貨物の品質に影響を与えました。

事例3:精密機器に油汚れが付着

高額な精密機器を輸送するために手配したコンテナが、前回オイルを含む機械部品を輸送したものだったため、床に油汚れが残っていました。適切な清掃が行われておらず、貨物の外装にオイルが付着し、再検査の手間とコストがかかりました。

コンテナ汚損トラブルを防ぐための対策

コンテナの汚損は、次の対策をしましょう!

1.コンテナの事前チェックを徹底する

コンテナを手配する際、使用前に内部を点検し、汚れや異臭、カビの発生がないかを確認します。コンテナの内部に入り、扉を閉めて光が射し込みかを確認することも重要です。=コンテナに穴が空いていないか?を角煮イン

2.クリーニング済みコンテナを指定する

船会社やフォワーダーに対して、クリーニング済みのコンテナを指定することで、前回の貨物の残留物や異臭のリスクを減らすことができます。特に、冷蔵コンテナや食品向けコンテナを使用する際には、この指定が重要です。

3.防湿・防汚対策を実施する

湿気やカビ対策として、コンテナ内に防湿シートや乾燥剤(シリカゲル)を設置することで、湿気の影響を軽減できます。また、床に汚れが付着している場合は、貨物を直接接触させないようにパレットや防水シートを使用することが効果的です。

4.汚損トラブル時の対応策を用意する

万が一、コンテナの汚損によって貨物に被害が発生した場合に備え、保険の適用範囲を確認しておくことが重要です。また、貨物の損傷を記録するために、受取時に写真を撮影し、クレーム対応のための証拠を確保しておくとよいでしょう。

自らがコンテナを汚損してしまった場合の対応

万が一、自分が使用したコンテナを汚損してしまった場合、速やかに適切な対応をとりましょう。以下の手順で問題を解決することが重要です。

1.汚損状況の確認と記録

コンテナの内部や外部に汚れ、油漏れ、異臭などが発生している場合、すぐに現場で写真や動画を撮影し、汚損状況を記録します。船会社やフォワーダーに報告する際、証拠となるため、詳細な情報を確保しておくことが大切です。

2.船会社・フォワーダーへの連絡

コンテナが汚損した場合、船会社またはフォワーダーへ速やかに報告し、指示を仰ぎます。特に、次の使用者に影響を与える可能性がある場合、迅速な対応が求められます。

3.クリーニング費用の負担

多くの場合、コンテナの汚損が発覚すると、船会社やリース会社が定めるクリーニング費用を請求されます。汚れの種類や程度によって費用が異なり、

  • 軽度な汚れ(通常の清掃で対応可能)
  • 重度な汚れ(専門業者による清掃が必要)
  • 有害物質の汚染(コンテナの使用停止や特別処理が必要)

といったケースに分けられます。費用負担を最小限に抑えるため、速やかに対応することが重要です。

4.貨物保険や損害補償の確認

貨物保険に加入している場合、コンテナの汚損が補償の対象となる可能性があります。契約内容を確認し、適用範囲に含まれるかどうかを調べ、必要に応じて保険会社に申請を行います。

5.再発防止策の実施

汚損の原因を特定し、今後の輸送で同じ問題が発生しないように対策を講じます。

例えば、

  • オイル漏れ防止のために貨物を適切に梱包する
  • 防水シートや保護材を活用し、コンテナへの直接の汚れを防ぐ
  • クリーニング済みのコンテナを使用するよう事前にリクエストする

といった方法で、再発リスクを減らすことができます。

まとめ

コンテナの汚損は、食品や医薬品、精密機器などの貨物に深刻な影響を与える可能性があります。前回の貨物の残留物、湿気や結露によるカビ、異臭、油汚れなどが発生すると、貨物の品質低下や取引先とのトラブルを招くことになります。これを防ぐためには、コンテナの事前チェックやクリーニング済みコンテナの指定、防湿・防汚対策の実施、汚損発生時の対応策を事前に準備することが重要です。適切な管理を行うことで、安全かつスムーズな国際輸送を実現しましょう。

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