国際輸送でコンテナを受け取った際に、扉が固くて開かない問題に直面することがあります。この状況は、輸入者や倉庫スタッフにとって予期せぬトラブルとなることがあります。
この記事では、コンテナの扉が開かない原因と対策について詳しく解説します。
コンテナの扉が固くて開かない!原因と対策
コンテナの扉が固くなる主な原因
1. コンテナの歪み
コンテナは輸送中に重い荷物を積載されるため、フレームがわずかに歪むことがあります。特に長距離の海上輸送では、波の影響やクレーンでの積み下ろし時にフレームが変形することがあり、それが扉の開閉に影響します。
2. 気温の変化による膨張・収縮
コンテナは主にスチール製のため、気温の変化に応じて膨張・収縮します。寒冷地や猛暑の環境では、金属が膨張、収縮し、扉が開けづらくなることがあります。
3. シールの劣化・固着
コンテナの扉には密閉性を高めるためのゴム製のシールが施されています。長期間使用すると劣化し、固着することがあります。特に、湿気や塩分の影響を受けた場合、シールが扉に貼り付いてしまい開けづらくなることがあります。
4. ラッチやヒンジのサビ・腐食
コンテナの開閉部は金属製のラッチやヒンジで固定されています。これらが長期間海上輸送されることでサビや腐食が進み、スムーズに開かなくなる事があります。
5. 内部の貨物の圧迫
コンテナの内部で貨物が動いたり崩れたりしていると、扉が内側から押される形になり、開きにくくなることがあります。特にLCL(混載貨物)などの場合、複数の荷主の貨物が積載されるため、貨物の偏りが発生しやすくなります。
コンテナの扉を開けるための対策
1. コンテナの歪みを直す
コンテナが歪んでいる場合、フォークリフトなどを使って軽く扉のフレームを押し戻すことで開く場合があります。無理にこじ開けると扉の破損につながるため、慎重に対応しましょう。
2. 温度変化を利用する
寒冷地ではコンテナの金属部分が収縮して扉が開きにくくなります。太陽光の当たる場所に置くことで自然に膨張し、開けやすくなる場合があります。逆に、猛暑時にはコンテナの金属が膨張しているため、水をかけて冷やすことで扉の開閉がスムーズになることもあります。
3. シール部分をほぐす
扉のゴムシールが固着している場合、シリコンスプレーや潤滑油を吹きかけることで開けやすくなります。また、ゴム部分を軽くたたいて振動を与えることで、シールが剥がれやすくなることもあります。
4. ラッチやヒンジに潤滑油を使用する
サビや腐食が原因で扉が開かない場合は、CRC-556やWD-40などの潤滑油を使用し、ラッチやヒンジ部分に浸透させることでスムーズに開くようになります。
5. 扉を開けるための専用工具を使う
「コンテナバー」や「ラッチリフター」と呼ばれる専用工具を使うことで、少ない力で扉を開けることができます。特に固着しているラッチを開くのに役立ちます。
6. 貨物の圧迫が原因の場合
貨物が内側から押して扉が開かない場合は、コンテナを軽く揺らすことで荷崩れを解消できることがあります。また、反対側の扉(ツードアタイプの場合)から試みるのも一つの方法です。
まとめ
- コンテナの扉が開かない原因としては、歪み、温度変化、シールの固着、サビ・腐食、貨物の圧迫などがある。
- 扉が歪んでいる場合は、フォークリフトで軽く調整する。
- 気温変化を利用し、膨張・収縮をコントロールする。
- シールの固着にはシリコンスプレーを使用する。
- サビや腐食部分には潤滑油を塗布し、ラッチを緩める。
- コンテナバーなどの専用工具を活用するとスムーズに開くことができる。
このような対策を講じることで、固くなったコンテナの扉をスムーズに開けることができます。もし、どうしても開かない場合は、専門業者に依頼するのも一つの手段です。
トラブルから探す
国際輸送の見積依頼先
お役立ち資料