ヨーグルトメーカーを輸入するには?PSE・食品衛生法など手続きと実務を徹底解説

ヨーグルトメーカーの輸入

はじめに

海外製のヨーグルトメーカーを日本で販売したいと考えたとき、まず確認すべきは「どんな法規制が関わるか」と「どのような手続きが必要か」という点です。特に、家電製品は電気用品安全法(PSE)の対象となり、また食品と接触する部品がある場合は、食品衛生法も関係してきます。

この記事では、家庭用および業務用ヨーグルトメーカーを海外から輸入し、日本国内で販売・使用するための実務手続きや法的なポイントを、輸送・通関の視点からもわかりやすく解説します。

輸入・国際輸送の全体フロー

ヨーグルトメーカーを輸入して販売するまでには、次の流れがあります。

  1. 輸入計画の立案(輸出国・製品仕様・対象顧客の整理)
  2. 規制調査(PSE、食品衛生法、その他)
  3. 必要な許可・認証の取得
  4. 海外との契約と製造・出荷準備
  5. 国際輸送の手配(海上・航空)
  6. 通関・検査
  7. 国内販売・管理体制の構築

この流れの中で、輸入者(あなた)を中心に、通関業者、フォワーダー、配送業者、検査機関など多くの関係者が関わるため、事前準備が鍵を握ります。

事前調査・準備

最初のステップは、規制対象の法律を知らべます。主な観点は、以下の通りです。

HSコードを確認する。

ヨーグルトメーカーはHSコード「8516.79(その他の電熱機器)」などに分類される可能性があります。関税率や規制の調査はこのコードを基に行います。

電気用品安全法(PSE)

電源を使用する製品であり、PSE認証が必須です。

食品衛生法

牛乳などの食品と接触する部品がある場合、材質や安全性についての確認する

その他の規制

家庭用品品質表示法(表示義務)、電波法(無線通信機能付きの場合)なども該当することがあります。

これらを調査して輸入可能かどうかを判断しましょう!

食品衛生法の規制対象は、直接、食品と触れる部分のみです。

必要な手順と書類

輸入時の主な手順

1.電気用品輸入事業届出書の提出(事業開始前に必要)

電気用品輸入事業届出書の提出する。

2.PSEの適合性を確認する。

第三者試験機関(例:JQA、日本品質保証機構やTÜVなど)での技術基準適合性検査が必要です。必要書類には、試験成績書、適合証明書(CBレポートやSDoCなど)、検査報告書などが含まれます。

3.食品等輸入届出書の提出

接触部分がある場合は検疫所に提出します。提出時には、用途・材質説明書、厚生労働省告示370号に基づく適合性を示す成分証明書や試験成績書などが求められます。

4.税関手続き

以下の基本書類が必要です。

  • インボイス(価格明細)
  • パッキングリスト(製品内容)
  • B/LまたはAWB(輸送証書)
  • 成分証明書、原産地証明書(必要に応じて)
5.動物検疫・植物検疫

ヨーグルトメーカー本体には通常該当しませんが、乳酸菌スターターなどの付属品を同時輸入する場合は、動物検疫や食品添加物規制が関わる可能性があります。

告示370号の基準に適合しない場合は輸入販売不可です。

輸送手配と輸送書類

ヨーグルトメーカーの輸送には、製品のサイズや輸送スケジュール、コストを踏まえて「海上輸送」または「航空輸送」のいずれかを選択します。通常、数量が多く納期に余裕がある場合は海上輸送が選ばれ、数量が少なく短納期が求められる場合は航空輸送が選ばれます。

梱包については、衝撃や湿気に弱い精密機器であることから、耐衝撃材(発泡スチロール、バブルラップなど)とともに防湿対策を講じる必要があります。製品の外箱ラベルには、製品名・型番・電圧・製造元情報・PSEマークなどの表示が求められ、これらが未記載の場合は通関時に問題となることがあります。

輸送業者(フォワーダー)とは、出荷前に以下を確認しておきましょう!

  • 荷姿(カートンサイズ・重量・数量)
  • 輸送インコタームズ(FOB、CFR、DAPなど)
  • 出荷予定日・輸送スケジュール
  • 通関地・最終納品先

必要な輸送書類は以下の通りです。

  • インボイス(Commercial Invoice):商品の価格・取引条件・輸送手段などを記載
  • パッキングリスト(Packing List):梱包内容や寸法・重量を記載。現場での検品にも使用
  • B/L(船荷証券)またはAWB(航空運送状):輸送契約書として運送人が発行
  • 保険証券(Cargo Insurance Policy):必要に応じて、輸送中の破損・紛失に備える
  • 原産地証明書(Certificate of Origin):FTA適用時や輸入国規制に応じて必要
  • 成分証明書(食品衛生法該当時):食品に接触する部品がある場合に求められる

また、フォワーダーや通関業者と密に連携し、輸送書類の記載ミスがないよう事前にダブルチェックを行うことが、通関トラブル防止につながります

各種法規制の詳細と注意点

電気用品安全法(PSE法)

ヨーグルトメーカーは「特定電気用品以外の電気用品」に分類される可能性が高く、PSEマークの取得が必要です。取得手順は以下の通りです。

  • 電気用品輸入事業の届出
  • 技術基準適合性確認
  • ラベル表示(品名、定格電圧、製造業者名など)
  • 保管義務(検査記録や証明書の保存)

食品衛生法

ヨーグルトメーカーのうち、容器やスプーンなど食品に接触する部分がある場合、それらの素材が厚生労働省告示第370号などの基準に適合している必要があります。

輸入時には、用途・材質説明書や成分証明書、試験成績書(例:溶出試験)などを提出し、検疫所の審査を受けることになります。

その他の法規制

  • 家庭用品品質表示法:材質・耐熱温度などの表示義務があります。
  • 電波法:Wi-Fi接続機能付き機種の場合、技適マークの取得が必要です。
  • 消費生活用製品安全法:万が一の事故発生時には、国への報告義務が生じます。リコール制度の整備や、安全点検履歴の記録も重要です。

国際輸送時のポイント

ヨーグルトメーカーは家電製品であり、梱包破損や湿気による故障のリスクがあります。そのため、以下のポイントに注意しましょう。

  • 耐衝撃・防湿梱包の実施
  • リーファーコンテナは基本的に不要
  • 輸送温度の安定管理(寒冷地・暑熱地対策)
  • サプライチェーン管理と輸送履歴の記録

トラブル防止・リスク管理

  • 書類の不備や製品ラベルの不備は、通関遅延の最大原因です。
  • 製品ごとのPSE対応状況を輸出元に必ず確認しましょう。
  • 初回輸入は試験的に少量で行い、通関リスクを検証すると安全です。
  • 輸送中の破損に備えて、保険(貨物海上保険など)加入も検討しましょう。
  • 販売後はリコール・事故時の対応体制を整え、製品安全と信頼性を維持することが重要です。

よくある質問と実務上のアドバイス

Q:初回輸入での最重要ポイントは?

A:PSEと食品衛生法への該当有無の確認です。特にPSEの取得に時間がかかる場合があるため、早期調査が肝心です。

Q:輸入コストはどこまで見積もる?

A:製品代、送料、保険、関税・消費税、検査費用、通関・配送費用までが基本です。

Q:法改正にどう対応する?

A:製品カテゴリの法的該当性を定期的に確認し、JETROや厚労省の最新情報をウォッチしてください。

まとめ

  • ヨーグルトメーカーの輸入にはPSE法と食品衛生法が主な規制となる
  • HSコードや検査基準、認証手続きは具体的に把握しておく
  • 輸送や通関には正確な書類と検査・証明書類の準備が必要
  • 関連法規の変化に柔軟に対応し、安全でスムーズな輸入を実現しよう。

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