Q1: 申告していない貨物が見つかり、通関が滞っています。どう対応すればよいですか?
通関手続き中に申告外の貨物が発見されると、税関はその貨物を精査し、場合によっては通関を一時停止することがあります。これは、輸出入規制違反の可能性を検討しなければならないためであり、手続きが長期化する原因にもなります。
申告外貨物が発見された場合、まずはフォワーダーや通関士と連携し、税関の指示に従いながら迅速に対応策を検討します。もし、単なる記載ミスや手続き上の問題であれば、追加申告を行い、必要な修正を加えることで、早期の通関処理が可能です。
しかし、もし未申告の貨物が輸入規制品や関税逃れの意図があると見なされた場合、より厳格な審査が行われることがあります。最悪の場合、罰則が科せられる可能性もあるため、事前に貨物内容を正確に把握し、輸入申告を正しく行うことが極めて重要です。
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申告漏れが発生する代表的なケース
申告漏れが起こる理由はいくつかあります。単純に申告を忘れていたケースや、取引先が勝手にサンプル品を同梱するケース、販促目的の贈答品を無申告で輸入したケース、さらには作業員が使用していた工具が誤って貨物に紛れ込んだケースなどが挙げられます。これらは、どれも悪意がなく発生するものですが、税関に発見されれば、通関が止まり、場合によっては罰則を受けることもあります。
取引先(売り手)の親切心による同梱等が問題になることは多いです
申告漏れを未然に防ぐための対策
あなたが輸入者の場合、まずは、出荷前に貨物の内容を細かくチェックしてもらうことが重要です。
→インボイスやパッキングリストと実際の貨物が一致しているか?
もし、取引先がサンプル品や贈答品、予備の化粧箱、ダンボール等を同梱する場合は事前に連絡するよう依頼しましょう。サプライヤーが販促目的でカレンダーやノベルティを無断で同梱することはよくありますが、税関で発見されると申告漏れとみなされます。事前にリストを共有し、不要なものが混入しないように管理することが必要です。
取引先には、コンテナに入れる全ての貨物をインボイスに記載する必要がある旨を十分に説明しましょう!
また、貨物を積み込む際には、作業員の私物や工具が紛れ込んでいないかを確認しましょう。特に、工場や倉庫での梱包作業では、作業員が一時的に工具を置いていたものをそのまま貨物に混入させることがあります。こうしたヒューマンエラーを防ぐため、チェックリストを活用するのが効果的です。
大規模な企業であれば、通関士に依頼したり、デジタル管理を導入する方法もありますが、小規模で貿易を行う場合は、それほどコストをかけられないことも多いでしょう。現実的な対策としては、貨物の確認を手作業で行い、取引先との情報共有を密にし、チェックリストを活用することでリスクを軽減することが最も現実的です。
まとめ
- 申告漏れが発生すると税関で貨物が止まり、長期の遅延や罰則の可能性がある。
- 代表的な申告漏れのケースとして、予備の化粧箱、無申告の貨物、サンプル品の混入、贈答品の無申告、作業員の工具の混入がある。
- 申告漏れが発覚した場合は、税関に正直に報告し、速やかに追加申告を行う。
- 事前の貨物確認を徹底し、取引先と密に連携することでリスクを低減できる。
- コストをかけずにできる現実的な対策として、出荷前のチェック強化、リスト管理、チェックリストの活用が有効