Q1: 数量制限や輸入割当の影響で、輸入が認められませんでした。どう対応すればよいですか?
一部の商品には、政府や関係機関による輸入数量制限や輸入割当制度が適用されており、一定の数量を超える輸入が制限される場合があります。(輸入割当制度、関税割当制度)
例えば、一次税率と二次税率が設定されている場合、一定の数量以下は、一次税率が適用されます。一定数量を超えると、高い二次税率が適用されます。特に、農産物、繊維製品、鉄鋼製品、化学薬品などは、国際協定や国内政策の影響を受けやすく、割当枠を超えて輸入する場合は注意しましょう!
数量制限や輸入割当が原因で貨物の通関ができない場合、まず税関からの通知内容を確認し、どの規制に抵触しているのかを特定しましょう。場合によっては、追加の申請を行うことで、輸入枠の割当を受けられることがあります。
数量制限や輸入割当と関税割当の違い
輸入割当(Import Quota)は、政府や関係機関が特定の品目に対して設ける輸入数量の上限です。一定の数量を超えた輸入は原則として禁止されるか、厳しい制限が課されます。
例えば、農産物や鉄鋼製品などです。
一方、関税割当(Tariff Rate Quota:TRQ)は、一定の数量までは低関税で輸入できるものの、その枠を超えると高関税が適用される制度です。つまり、輸入量自体は制限されませんが、関税の負担が大きく変わる点が特徴です。
例えば、特定の乳製品や肉製品は、一定の数量までは優遇関税が適用されるものの、超過分には高関税が課されるケースが挙げられます。
輸入割当と関税割り当て品目の例
輸入割当品目 | 関税割り当て品目 |
たら、すけそうだら ぶり・さんま・貝柱および煮干し ほたて貝 水産物(韓国原産の特定品目) こんぶ、ばら干しのあおのりおよびひとえぐさ にしん、いわし、あじ さば、たらの卵、干しするめ こんぶ調製品、干しのり のりの調製品(無糖の味付けのりを除く) 無糖の味付けのり、太平洋種にしん、いか |
牛馬革 羊革・やぎ革 革靴 とうもろこし、ナチュラルチーズ 麦芽、糖みつ、無糖ココア調製品 トマトピューレー及びトマトペースト パイナップル缶詰、脱脂粉乳 無糖れん乳、ホエイ等 バター及びバターオイル 雑豆、でん粉 イヌリン及びでん粉調製品 落花生、こんにゃく芋 調製食用脂、繭及び生糸 |
数量制限や輸入割当の影響を受けやすいケース
輸入数量制限や割当の影響を受けるケースはいくつか考えられます。特定の国や地域からの輸入品に対しては、輸入許可枠が設けられています。
例:一部の鉄鋼製品や繊維製品など。
さらに、一部の製品には、輸入許可証や事前承認が必要となる場合があります。特に、医薬品や化学品の輸入には、環境規制や安全基準の確認が求められます。
数量制限や輸入割当のトラブルを未然に防ぐための対策
数量制限や輸入割当の影響を回避するためには、事前の確認が重要です。まず、輸入予定の商品が数量制限の対象かを確認します。輸入統計品目表には、他法令コード「IQ」などで表示されています。それらの表示がないかを確認します。特に魚介関連品は要注意
輸入枠を獲得する!?
数量制限がある場合、輸入枠の申請や許可証の取得が可能かを確認します。特に、関税割当制度を活用する場合、事前に申請することで、低関税枠内で輸入ができます。但し、若干、利権があります。
複数回の輸入調整
輸入量を複数回に分けることで、一度に制限枠を超えないように調整する方法もあります。例えば、大量の輸入を計画している場合、年内に複数回の分割輸入を行い、それぞれの輸入枠を活用することで制限を回避できます。
小規模な貿易業者であっても、税関や貿易関連の無料相談窓口を活用し、事前に必要な手続きを確認することで、不要なトラブルを避けることができます。輸入する際には、最新の規制や数量制限を調査し、計画的に輸入スケジュールを組むことが重要です。
まとめ
- 輸入割当は一定の数量を超えると輸入が禁止または制限される制度。
- 関税割当は一定数量までは低関税が適用され、それを超えると高関税が課される
- 一部の商品には輸入数量制限や割当制度が適用されている。
- 関税割当制度が適用される場合、低関税枠を超えると高関税が課される
- 特定の国や地域からの輸入品には、輸入許可枠が設定されている場合がある。
- 事前に輸入制限の有無を調査し、必要な許可証や輸入枠の申請を行う。
- 輸入量を分割することで、制限枠を超えないよう調整する方法も有効。
- 税関や貿易関連の無料相談窓口を活用し、最新の規制を確認する。