MOL Comfort(2013年)船が真っ二つ!衝撃の沈没事故

2013年6月17日、インド洋MOL Comfort(エムオーエル・コンフォート)の船体破損・沈没事故が発生。全長316mの大型コンテナ船が真っ二つに裂けて、沈没するという極めて異例の事故でした。事故により約4,382本のコンテナが海に流出する大惨事に至りました。

本記事では、MOL Comfort事故の概要、原因、影響、事故から学ぶべき教訓について解説します。

MOL Comfort事故の概要

MOL Comfortは、三井OSK(Mitsui O.S.K. Lines)が運航するコンテナ船で、2008年に建造された比較的新しい船舶でした。事故は、アラビア海(インド洋)を航行中に突如として船体が破損し、前後に分裂したことが発端でした。

当時、MOL Comfortはシンガポールからサウジアラビアのジッダ港に向かっていた途中であり、事故はインド沿岸から約840マイル(約1,350km)の地点で発生しました。船体はその後沈没し、貨物のほとんどが回収不能となりました。

前部と後部が別々に沈没。後部は6月27日に、前部は7月11日に沈没しています!

MOL Comfort事故の原因

この事故の原因は、主に以下の3つが挙げられています。

1. 船体構造の脆弱性

事故の調査結果では、船体の設計に問題があった可能性が指摘されました。特に、船体中央部の強度が不足しており、航行中の波の力に耐えられなかったと考えられています。

2. 波浪の影響

当時のインド洋は、モンスーンの影響で高波が発生している状況でした。長期間にわたり波の衝撃を受けた結果、船体の中央部分に過度な負担がかかった可能性があるといわれています。

3. 過積載の可能性

MOL Comfortは最大積載量に近い貨物を搭載していたと考えられています。適切な荷重配分等が行われていなかった場合、船体に異常な負担がかかり、これが破損の原因になったのでないか?と言われています。

事故の影響

MOL Comfort事故は、国際物流、船舶設計、海上保険業界に多大な影響を与えました。

1. 物流業界への影響

MOL Comfortに積載されていた貨物の多くは、サウジアラビアやヨーロッパ向けのものでした。事故の影響で、多くの荷主が貨物を失い、代替輸送の手配や保険請求に追われることになりました。

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2. 船舶設計基準の見直し

この事故を受けて、造船業界では大型コンテナ船の設計強度の見直しが進められました。特に、船体の中央部分の補強が新造船の設計基準が厳しくなりました。

3. 海上保険の高騰

この事故による貨物の損害額は、数億ドル規模(3億から4億ドルの保険金支払いが発生した)と言われており、保険業界に大きな負担をもたらしました。結果、海上輸送における保険料が上昇しました。

この事故から学ぶべきポイント

MOL Comfortの事故から学ぶべき教訓は次の通りです。

1. 船舶の信頼性を確認する

国際輸送を利用する際には、運航会社の安全管理体制や使用する船舶の信頼性を確認することが重要です。老朽化した船や過去に問題を抱えた船を避けることで、リスクを軽減できます。

船の建造日などはシッピングガゼット(本)やマリントラフィックにのっています。

2. 過積載によるリスクを考慮する

船舶の積載量が適切であるかを確認することも重要です。過積載が原因で船体に負荷がかかると、事故のリスクが高まります。

3. 海上貨物保険に加入する

この事故では、貨物のほとんどが回収不能となりました。万が一に備えて、損害を補償できる適切な海上貨物保険に加入することが重要です。

まとめ

  • MOL Comfort事故:船体が破損・分裂し、沈没した極めて異例の事故
  • 主な原因:船体構造の脆弱性、波浪の影響、過積載
  • 影響:物流業界の混乱、船舶設計基準の見直し、海上保険の高騰
  • リスク対策:船舶の信頼性確認、過積載リスクの回避、貨物保険の加入。

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