海上コンテナ等で貨物が到着したときに損傷が見つかることがあります。又は、水漏れしていたり、貨物自体が無くなっていたりするこもあります。これらを見つけた際、多少のことは見逃すことが多いです。ただし、一定以上の損傷などが見つかった場合は、クレームノーティスを出します。
この記事では、クレームノーティスの意味、目的、方法等を解説していきます。
クレームノーティス
クレームノーティスの意味と目的
クレームノーティスとは、貨物の損傷や紛失事故が発生した際、貨物の運送業者(フォワーダーやキャリア)に対して、金銭的補償を要求する法的な手続きです。目的は、貨物損傷の原因(責任範囲)を明らかにするためです。(運送人側にあること)
誰が作成し、誰に対して行う?
クレームノーティスは、既定のフォーマット(船会社ごとにクレームノーティスのフォーマットあり)に沿って、貨物の荷受人(輸入者)がキャリア、フォワーダー、保険会社等に行います。
提出期限は3日間
クレームの種類によって若干違いますが、クレームノーティスの提出期限は3日間です。(海上)
クレームノーティスの作成&流れ
クレームノーティスの流れは、次の通りです。
- 輸入許可後、コンテナを受け取る&ダメージ発見
- 保険会社に連絡する。
- 損傷貨物を保管する。
- フォワーダー等にクレームノーティスを出す。
- 日本海事検定協会などに事故損害額の調査を依頼する。
- 必要書類を用意する。
- 請求金額を受け取る。
1.輸入許可後、コンテナを受け取る&ダメージ発見
輸入許可後、ドレージ会社によりコンテナが輸送されてきます。運転手により開封された後、一つ一つ取り出し作業をしていきます。(デバン)このとき、貨物に対して何らかの損傷を確認したとしましょう。この場合、まずは、フォワーダー等に連絡をしてEIRを取り寄せます。
EIRとは、コンテナターミナルに出入りする際に、コンテナ自体の損傷を記録する書類です。まずは、このEIRを取り寄せましょう!
2.保険会社に連絡する。(相談)
貨物のダメージを見つけたら、できるだけ早く海上保険会社に連絡します。損傷する貨物の写真等を撮影し、今後の対応方法を相談します。
3.損傷貨物を保管する。
保険会社に相談の上、損傷していない貨物の保全をするように指示されたら貨物を移動させます。
- 損傷していない貨物
- 損傷している貨物
を分離させることで、これ以上の損傷が広がらないようにします。但し、この作業をするときは、必ず保険会社への相談・報告が必要です。勝手におこなうと、保険金を請求できなくなります。
4.フォワーダー等にクレームノーティスを出す。(予備クレーム)
保険会社に相談すると、フォワーダー(船会社)にクレームノーティスを行うように指示されます。最優先でクレームノーティスを作成し通知します。
なお、クレームノーティスの書式は、船会社で用意されています。グーグルなどで「船会社名 NOTICE OF CLAIM」などと検索します。わからなければ、保険会社、フォワーダー、通関業者等に相談をしましょう!
クレームノーティスの記載例(署名が必要)
画像引用元:https://www.sompo-japan.co.jp/~/media/SJNK/files/covenanter/acontact/support/cargo/category1/contents2/FROM-E.pdf
5.海事検定協会などに事故損害額の調査を依頼する。
次に保険会社に対して、日本海事検定協会などによるサーベイが必要か?を確認します。サーベイとは、第三者の中立的な立場から事故の損害額を調査する専門会社です。サーベイにより損害額が確定し、これを保険会社に伝えます。(本クレーム)
6.必要書類を用意する。
同時にクレーム品に対する関連書類を整えておきます。主な書類は、次の通りです。
- 被害状況を示す写真のコピー
- インボイスのコピー
- パッキングリストのコピー
- B/L&アライバルノーティスのコピー
- 船荷証券のコピー
- 損害額の証明書等
7.請求金額を受け取る。
以上で荷主としてのクレームノーティスの処理は終了です。この後、保険会社が船会社に対して代位請求権を行使して損害額を請求し、荷主に対しては、貨物損傷に対する保険金を支払います。
情報元:http://www.maerskline.com/~/media/maersk-line/Countries/jo/Files/claims.pdf