海上輸送で複数の荷受人のコンテナを1BLで送る方法|リスクと対策を解説

国際輸送は、貨物をまとめて輸送することでコストを削減できます。

例えば「複数の荷受人の貨物を1つのB/L(船荷証券)で送る」などです。

この記事では、この輸送方法の仕組み、注意点、リスク回避のポイントについて詳しく解説していきます。

複数の荷受人のコンテナを1BLで送るとは?

海上輸送では、通常1つのB/L(Bill of Lading)に対して1つの荷受人が設定されます。しかし、複数の荷受人の貨物を1つのB/Lでまとめて輸送もできます。

この方法を採用する理由は…..

  • 輸送コストの削減(コンテナをまとめて利用することで費用を抑えられる)
  • 書類手続きの簡素化(B/Lの数を減らし、管理を簡単にできる)
  • 混載よりも安定した輸送(FCLのまま使用できるため、取り扱いが減る)

共同配送をすると、運賃ベースで20%程の削減効果があると言われています。

どのようなケースで利用される?

輸送方法は、以下のケースで活用されることが多いです。

1. 同じ仕入先から異なる顧客への出荷

メーカーや仕入先が同じだが、異なる荷受人がいる場合、一度にまとめて輸送し、到着地で分配することでコストを削減できます。

2. グループ企業間での輸送

同じ会社の異なる拠点やグループ会社への配送では、1BLでの輸送が効率的です。

3. 物流センター経由での仕分け

到着港で貨物を分割し、それぞれの最終目的地へ配送する場合にも活用されます。

利用する際のリスクと問題点

この方法にはいくつかのリスクがあります。

1. B/Lの管理が複雑になる

通常のB/Lと異なり、1つのB/Lで複数の荷受人が存在するため、通関手続きや受け渡し時の管理が煩雑になります。特に、荷受人間での連絡ミスがあると貨物の引き取りが遅れることもあります。

2. 輸入国での通関手続きの問題

輸入国によっては、1B/Lで複数の荷受人がいる場合に追加の書類提出を求められることがあります。事前に輸入国の通関ルールを確認しましょう。

3. 荷物の分配時のトラブル

到着後に貨物を分割する際、誤配送や数量ミスが発生することがあります。貨物の内容や仕分け方法を事前に明確にしておくことも重要です。

リスクを回避するための対策

安全な輸送を実現するために以下の対策をしましょう!

1. B/Lの記載内容を明確にする

B/Lには、すべての荷受人情報や貨物の詳細を正確に記載します。特に、各荷受人がどの貨物を受け取るのかを明示することで、誤配送のリスクを減らせます。

2. 輸送契約の締結

事前にフォワーダーや輸送会社と輸送契約を締結し、責任範囲や輸送条件を明確にしておくことで、トラブルを防げます。

3. 通関手続きの確認

輸入国の通関ルールを事前に確認し、必要な書類を準備することで、貨物の遅延を防ぐことができます。

4. 物流管理システムの活用

貨物の分配や配送状況をリアルタイムで把握できる物流管理システムを活用することで、効率的な輸送が可能になります。

まとめ

複数の荷受人の貨物を1B/Lで送る方法は、輸送コストの削減や手続きの簡素化といったメリットがあります。しかし、B/Lの管理が複雑になり、通関手続きや貨物の分配でトラブルが発生するリスクもあります。これを防ぐためには、B/Lの記載内容を明確にし、輸送契約を締結し、通関手続きを確認することが重要です。

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