輸入通関後、国内配送の手配をするときのお話です。時々、その手配を支援してくれる通関業者等から「このコンテナは3軸シャーシが必要」と言われます。3軸シャーシ?となりますね!
そこで、この記事は、コンテナ輸送の3軸シャーシについて解説していきます。
コンテナ輸送の3軸シャーシとは?
まず、一点、整理します。この記事で伝えるコンテナ輸送とは、輸入許可後の日本国内における輸送を指します。外国間などのコンテナ輸送のお話でない点をご注意ください。
輸入許可後のシーン
今、ある人が通関業者に依頼して税関から輸入許可を受けたとしましょう。この輸入は、コンテナ単位で行っています。したがって、許可後の配送もコンテナごと行います。
コンテナを国内輸送することをドレージ。この時のトラックをドレーといいます。このドレーは、主にシャーシと呼ばれる本体で構成されています。下図です。
そして、このシャーシには、2軸のシャーシャと3軸のシャーシがあります。シャーシ=タイヤの数だとお考え下さい。具体的には、後ろのタイヤ数の違いです。
2軸、3軸を使い分ける理由とは?
2軸、3軸を使い分ける理由は、日本国内の道路に関する法律やSOLAS条約などの国際ルールが関係します。具体的には、3軸シャーシは、道路へのダメージを小さくする目的があります。
例えば、重量が1000kgの物を2つのタイヤで支えると一つは500kgです。3つなら一つあたり300kgです。複数のタイヤで支えるほど、タイヤ一つにかかる重量は小さいです。これは、道路へのダメージを最小化することでもあります。
「このコンテナの輸送は、3軸シャーシが必要」の意味は、ある一定の重量を超えているので、日本国内で陸送する際に3軸シャーシを使う必要があります!と伝えているのですね!
では、具体的に、重量の基準を確認してきましょう!
3軸を使うべき基準
2軸、3軸シャーシを使い分ける基準は、次の通りです。
最大積載重量 | シャーシ | |
20フィート | 20.32トン | 2軸 |
24トン | 3軸 | |
40フィート | 24トン | 2軸 |
30.48トン | 3軸 |
なお、この最大積載重量は、コンテナの自重(コンテナ自体の重さ)を含みます。よって、コンテナに積み込める最大重量は、もう少し小さくなります。
最大積載量=コンテナの中身の重量+コンテナの自重
コンテナの自重
コンテナの自重は、以下の通りです。
- 40フィート 4.5トン
- 40リーファー 5トン
- 20フィート 2.5トン
- 20リーファー 3.5
コンテナに積載できる最大重量
コンテナの自重+コンテナの中身の重さ=最大積載量(3軸シャーシの基準)
と考える場合、コンテナに積み込める最大の重量は、次の通りです。
最大積載重量 | シャーシ | |
20フィート | 17.82(20.32–2.5)トン | 2軸 |
21.5(24-2.5)トン | 3軸 | |
40フィート | 19.5(24-4.5)トン | 2軸 |
25.98(30.48-4.5)トン | 3軸 |
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3軸の必要性を判断するには?
基本的に3軸シャーシが必要な場合は、通関業者等から案内があります。もし、ご自身でも三軸の必要性を判断したい場合は、B/L(船荷証券)のグロスウェイト部分(G.W)を確認しましょう!
いくつかのコンテナを同時に輸送している場合でまとめて重量が表記されている場合は、コンテナの本数で重量を按分します。
例えば、65トン、20フィート3本なら、65÷3を行い1本当たりの重量を算出します。コンテナの中身が均等でない場合は、パッキングリストを確認して、コンテナ1本当たりの重量を求めます。求めた重量が上記の3軸を使う基準重量を超える場合は、3軸が必要だと判断できます。
2軸シャーシと3軸シャーシの料金差はある?
2軸シャーシと3軸シャーシを使う場合は、料金差があります。3軸の方が高いため、2軸での輸送を希望する方が多いです。但し、こちらは、法令違反になる為、見つかると罰則があります。
まとめ
- 2軸と3軸シャーシは、コンテナの自重を含む最大積載量の違いで使い分けている。
- 一定の重量を超える場合は、3軸シャーシの使用が義務付けられている。