税関発給コード・輸出入者符号とは？申請方法やメリットを徹底解説

貿易をする上で欠かせないのが「税関発給コード・輸出入者符号」です。この符号は、日本の税関で輸出入をする個人、個人事業主に割り当てられる識別番号で、通関手続きの際に使用します

この記事では、輸出入者符号の役割や申請方法、メリット、期限の管理方法などを詳しく解説します。一部、JASTPROコードも紹介します。

輸出入者符号

輸出入者符号とは？

輸出入者符号は、日本で貨物を輸出入する際に税関が企業や個人を識別するために付与する番号です。これは、輸出入申告をする際に必要となり、貨物の追跡や税関の審査をスムーズにするために使います。

輸出入者符号の主な特徴

• 日本の税関が発行し、個人が輸出入をする時に使用
• 通関システム「NACCS（ナックス）」で利用される

JASTPROコードとは？

一方、税関の輸出入者コードとは別にジャストプロが発行するコード（JASTPROコード）もあります。

JASTPROコードは、一般財団法人日本貿易関係手続簡易化協会（JASTPRO）が発行する企業識別コードで、主に貿易書類に記載される識別番号です。国際標準のEDI（電子データ交換）に対応しており、インボイスやB/L（船荷証券）、L/C（信用状）などの書類に記載されることがあります。JASTPROコードは、税関が管理するものではなく、貿易取引のスムーズなデータ管理を目的としています。

輸出入者符号とJASTPROコードの違いは？

輸出入者符号とJASTPROコードは、歴史的な部分ではJASTPROの方が古いです。また、有料であり、原則3年毎に「更新料」がかかります。一方、税関の発給コードは原則、無期限且つ、無料です。（一定の期間使用していないと削除される）

項目	税関輸出入者コード	JASTPROコード
発行機関	税関	JASTPRO（日本貿易関係手続簡易化協会）
費用	無料	新規7700円
更新	なし	３年毎
桁数	17桁	12桁

ここから先の文章は、税関の輸出入者符号について説明していきます。但し、その役割やメリット等はJASTPROでも同じです。

輸出入者符号等の必要性

輸出入者符号を取得することで、通関手続きが効率的になり、輸送のスピードが向上します。また、信頼性の評価にも関わるため、適切に管理することが重要です。これは、JASTPROコードでも同様の効果があります。

税関検査の確率を下げるための輸出入者符号の重要性

輸出入者符号を取得し、継続的に使用することは、税関検査の確率を下げるために非常に有効です。税関は貨物のリスクを評価する際、輸出入者の過去の取引履歴を参照し、信頼性の高い事業者の貨物は検査対象になりにくい傾向にあります。

実績のある事業者が輸出入者符号を使用して通関申告を行うと、税関は「リスクの低い貨物」と判断しやすくなります。逆に、新規事業者や輸出入実績が少ない事業者は、税関検査の対象となることが多くなります。

また、輸出入者符号を適切に管理し、過去の取引に問題がなかった場合、税関のデータベースに良好な取引履歴が蓄積され、今後の通関時にスムーズな手続きが可能になります。このため、長期的に国際貿易を行う事業者にとって、輸出入者符号は単なる識別番号以上の価値を持つものとなります。

輸出入者符号の申請方法

輸出入者符号の取得は、日本全国の税関で申請できます。輸出入者符号が必要な方は、個人及び個人事業主です。法人の場合は「法人番号」を輸出入者符号として使用できます。（別に輸出入者符号を取得するのもOK）

1. 税関への申請 最寄りの税関またはオンラインで申請書を提出
2. 必要書類の準備 個人事業主の場合は開業届などが求められます。
3. 審査と承認 問題がなければ数日以内に輸出入者符号が付与される。

輸出入者符号の３つのメリット

輸出入者符号を取得することで、以下、３つのメリットがあります。

１．通関手続きの迅速化

税関の事前審査がスムーズに進み、手続きが効率化されます。

２．信用の向上

税関のシステム上で履歴が残るため、輸出入実績が増えるほど信頼度が高くなる

３．コスト削減

通関業者に代理申請を依頼する必要がなく、自社で手続きを進められる

輸出入者符号の調べ方は？

輸出入者符号は、税関の公式ウェブサイトや「NACCS」のシステムを通じて検索できます。法人の登記番号と紐づいている場合も多いため、事前に正確な情報を把握しておきましょう。

まとめ

輸出入者符号は、国際貿易における重要な識別番号であり、適切に管理することで通関手続きの効率化や信用向上につながります。申請手続きは比較的簡単ですが、必要書類を正確に準備し、期限の管理を怠らないことがポイントです。

国際物流をスムーズに進めるためにも、輸出入者符号の取得を早めに行い、適切に活用しましょう。

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