国際輸送において、コンテナ船が入港してから貨物を引き取るまでの日数は、様々な要因によって変動します。
この記事では、入港日から貨物引き取りまでにかかる日数について解説します。
コンテナ船の入港から何日で貨物を引き取れる?
この記事の結論
- 輸入実績があり、個別搬入(HDS)を付けているFCLの場合=最短、入港日の当日可能
- 輸入実績があり、個別搬入(HDS)を付けているLCLの場合=最短、入港日の翌日可能
一般的には、入港日(ETA)の翌日に搬入があがり、翌々日から貨物を引き取られるようになることが多いです。

入港日の当日(ETA)に引き取ることを当配。又は当日ピックアップなどと言い、これは、輸入者自体の実績、船舶のブッキング、ドレー手配等の全ての条件が完全に整った場合に実現可能です。=貿易経験が少ない人は実現が厳しいです。
入港から貨物引き取りまでの流れ
1. コンテナ船の入港
コンテナ船が港に到着すると、まず入港手続きが行われます。この時点で、船会社や港湾当局が必要な確認を行い、停泊のスケジュールが決定されます。通常、入港からコンテナの荷下ろしが開始されるまでに1日程度かかることが一般的です。
2. コンテナの荷下ろし
コンテナの荷下ろし作業は、港の混雑状況や作業能力によって異なります。通常、船の到着から24時間以内に荷下ろしが開始され、数日かけて全てのコンテナが陸揚げされます。しかし、ピークシーズンや港の混雑時は長くなることが多いです。
3. 通関手続き
コンテナが荷下ろしされた後、貨物を引き取る前に通関手続きを行う必要があります。通関には、次の流れがあります。
- 輸入申告:税関に輸入申告書を提出
- 書類審査:申告内容に問題がないか審査される。
- 検査(必要な場合):税関による検査の場合がある。
- 関税・消費税の支払い:関税および消費税を支払い、許可を受ける。
通関の時間を少しでも短縮するために、現場では、できる限り早く貿易書類を取り寄せた上で予備申告をすることが一般的です。
4. コンテナの搬出手続き
通関許可が下りた後、貨物の搬出手続きが始まります。
- ドレー手配:トラック会社にコンテナ輸送(ドレー)の手配を依頼
- ターミナル予約:コンテナターミナルでの搬出予約
- コンテナピックアップ:指定された日時にドレーがコンテナを引き取る

配送関連の手配も全て通関業者が代行してくれます。あなたが決めるのは、いつ?、どこに?にコンテナを届けるのか?を決めることです。
全体の所要日数
入港から貨物引き取りまでの目安は以下の通りです。
- 入港・荷下ろし:1〜3日
- 通関手続き:1〜2日
- 搬出手続き・配送:1〜2日
通常、合計で3〜7日程度かかることが一般的です。ナックスでは、平均59.5時間(約2.5日)で引き取られるとのデータがあります。港の混雑状況や貨物の種類によってはこれより長くなります。但し、記事の冒頭でも申し上げた通り、基本は、予備申告をしていれば、最短、入港日の翌日からコンテナを引き取れます。

一般的な引き取りの目安:入港日の翌日からと考えれば良いです。但し、予備申告が完了していることが絶対的な条件です。なお、東京港、大阪港、横浜港、名古屋港など、港によっても差があります。
引き取りまでの日数を短縮する方法
1. 必ず予備申告をするべし
輸入申告に必要な書類(インボイス、パッキングリスト、原産地証明書など)を事前に準備し予備申告をしておきます。
2. 税関検査リスクを低減する
特定の貨物は税関による詳細な検査が必要になることがあります。事前に税関と確認を取り、スムーズな検査が行えるよう準備を整えると、手続きを短縮できます。
税関検査に当たりやすい人・貨物の特徴と回避方法!リスクを減らす実践ガイド
3. ドレー予約を早めに行う
ターミナルでの搬出予約が遅れると、コンテナの引き取りが後回しになることがあります。ドレー手配はできるだけ早めに確保します。

一時期、日本側のドレーは、海外の工場に発注するタイミングで抑えていたことがありました。特に混雑する東京港は注意が必要です。コンテナを引き取れる状況になってもそれを引っ張る為のドレーが確保できないこともあります。
まとめ
- コンテナ船の入港から貨物の引き取りまでの所要日数は3〜日が目安。
- 荷下ろし、通関手続き、搬出手続きで時間がかかる。
- 予備申告、個別搬入、税関検査が低くなるように実績を積むなどの対策
- ドレーの予約を早めに行う。
スムーズな輸入手続きを進めるためには、事前準備が鍵となります。適切な計画を立てて、貨物の引き取りまでの期間をできるだけ短縮しましょう。
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