国際輸送を行う際、輸送コストを左右する要素の一つがフレート(運賃)の契約方法です。つまり、「長期契約(Long-Term Contract)」と「スポット契約(Spot Contract)」です。
本記事では、長期契約、スポット契約の特徴やメリット・デメリットを解説し、最適なフレート契約の選び方をご紹介していきます。
フレート 長期契約 スポット契約
長期契約とは?
長期契約とは、輸送業者と一定期間(通常6カ月〜1年以上)の契約を結び、期間中は決められた運賃で輸送を行うことです。特に大手企業や定期的に輸送を行う企業にとって有効です。

最近の動向でいうと、3年程度が多いです。
長期契約のメリット
- 安定した運賃の確保 市場の価格変動(事故や市場の急激な変動時)に影響されず、予算計画が立てやすくなる。
- 優先的なスペース確保 物流業者と長期的な関係を構築することで、繁忙期でも確実に輸送枠を確保しやすくなる。
- サプライチェーンの安定化 安定した輸送手段を確保できるため、製造や販売計画の遅延リスクを軽減できる。
長期契約のデメリット
- 市場価格の下落時に割高となる可能性 市場運賃が下落した場合でも、契約運賃は変更されないため、相対的に割高になる。
- 契約条件の柔軟性が低い 契約期間中は運賃やサービス条件の変更が難しいため、突発的な輸送需要の変化に対応しにくい。
スポット契約とは?
スポット契約とは、必要なタイミングで都度フレートを決定し、輸送を手配する事です。輸送量が不定期な企業や、市場価格の変動を受け入れたい企業に最適です。
スポット契約のメリット
- 市場運賃の低下を活用できる 需要が低い時期には、市場運賃が下がるため、コスト削減できる。
- 契約の柔軟性が高い その時々の輸送量に応じて契約できる
- 短期間での価格交渉が可能 交渉によって、より有利な運賃を引き出せる
スポット契約のデメリット
- 繁忙期に運賃が高騰するリスク 需要が集中する時期には運賃が高騰し、ボラティリティは8倍以上に達するといわれている。
- スペース確保が難しくなる 繁忙期には輸送スペースが埋まりやすく、希望するスケジュールでの輸送が難しくなることがある。
- 計画的なコスト管理が難しい 毎回運賃が変動するため、年間の物流コストの予算管理が難しい。
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どちらの契約を選ぶべきか?
長期契約とスポット契約は、一長一短があります。それぞれの特徴を踏まえて検討しましょう!
- 定期的に輸送が発生し、安定した運賃とスペースを確保したい場合→長期契約が適している。
- 輸送頻度が低く、市場価格の変動を活用したい場合→スポット契約が有効
- ハイブリッド戦略として、一部の貨物を長期契約、その他をスポット契約で手配する方法もある。
まとめ
フレート契約の選択は、企業の輸送戦略に大きく影響します。長期契約は安定性を重視し、スポット契約は柔軟性とコスト削減を追求するものです。輸送量や市場動向を見極めながら、自社に最適な契約方法を選びましょう。
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