国際輸送において、書類と実際の貨物の数量が一致しないトラブルは珍しくないです。特に、大量の貨物を扱う輸出入業者は、日常的に発生しやすい問題です。当然、数量の不一致は、輸入通関の遅れ等にもつながるため、適切な対応が必要です。
国際輸送×書類と実物の数量不一致が起こる原因
なぜ、実物と書類の内容が不一致になるのか?
まず考えられるのは、単純な記載ミスです。インボイスやパッキングリストに記載された数量と、実際に梱包された数量が異なるケースです。特に手作業で書類を作成している場合、数量の打ち間違いや入力ミスが発生しやすいです。
次に、積み込みミスです。輸出者が貨物をコンテナに積み込む際、意図せず不足分が発生したり、逆に多めに積み込むことがあります。特にFCL(フルコンテナローディング)ではなく、LCL(混載貨物)の場合、他の貨物と混ざることで、数量の誤差が生じやすいです。
また、輸送中のトラブルも無視できません。コンテナが破損し、貨物の一部が紛失する、あるいは盗難に遭うケースもあります。特に高価な電子機器や貴金属を扱う場合は注意が必要です。
数量の不一致による影響
数量の不一致による影響は、様々な物があります。
例えば、税関での通関手続きに遅れが生じるなどです。輸入申告した数量と実際の貨物が異なる場合、税関に指摘されます。また、数量等を修正すれば、当然、その後の輸入税の計算にも影響を与えます。
また、取引先との信頼関係にも影響を与えます。数量が不足していた場合、輸入者は商品を予定通り販売できず、最終的な顧客への納品が遅れることがあります。特にB2B(企業間取引)では、契約違反につながり、大きな損害を引き起こすことがあります。
数量が不一致になったときの対応策
書類上の数量と実物の数量が不一致の場合は、次の対応をしましょう!
まず、貨物の受け取り時点で数量を確認し、不一致がある場合はすぐに記録に残します。可能であれば写真を撮影し、実際の貨物の状態を証拠として残します。
次に、輸出者と速やかに連絡を取ります。もし輸出者側の記載ミスや積み込みミスであれば、修正された書類を取り寄せることで、税関での対応がスムーズに進みます。
また、税関に正直に申告することも重要です。虚偽の申告をすると、関税法違反となり、ペナルティが科される可能性があります。そのため、税関には速やかに訂正申告を行い、正しい数量を報告する必要があります。
場合によっては、保険の適用も検討すべきです。輸送中の紛失や破損による数量不一致が発生した場合、貨物保険に加入していれば、補償を受けることが可能です。
事前にできる予防策
こうしたトラブルを未然に防ぐためには、いくつかの予防策があります。
まず、正確な書類作成を徹底することです。インボイスやパッキングリストを作成する際には、ダブルチェックをして、記載ミスを防ぎます。また、輸出者と輸入者の間で事前に書類の確認を行い、誤りがないか確認することも効果的です。
次に、輸送中の管理を強化することも有効です。コンテナの封印を確実に行い、輸送中の盗難や紛失のリスクを最小限に抑えます。
荷受け時のチェック体制を強化することも重要です。貨物が到着した際には、速やかに数量を確認し、不一致がないかを確認します。特にLCL貨物の場合、他の貨物と混ざるリスクがあるため、細心の注意が必要です。
まとめ
書類と実物の数量不一致は、国際輸送において避けられないトラブルの一つですが、適切な対応を行えば、リスクを最小限に抑えることができます。発生した際には、迅速に原因を特定し、フォワーダーや税関と連携して問題を解決することが大切です。また、事前の予防策を講じることで、こうした問題を未然に防ぐことができます。