【通関トラブル回避】輸入時の5トン差200kg問題を解決する方法とは?

輸入通関の際、貨物の重量差によるトラブルになることがあります。

なぜ、重量差がトラブルになるのでしょうか?

この記事では、重量差トラブルの原因と回避方法について解説します。

輸入通関で重量差が発生する原因

このトラブルは、関税が課税される単位、「従量税と従価税の違い」の理解が必要です。

従量税と従価税の違いとは?

従量税とは、関税を「」を基準にして課税することです。

例えば、○○平方メートル、○○リットルなどです。100円/Lと課税します。これが従量税です。

一方、従価税とは「価格」です。商品の価格を関税を課す基準とします。

例えば、商品価格1000円の物に対して、3%の関税率を課すなどです。価格に対して所定の関税をかけて課税するので「従税」と言います。

この記事でお伝えするトラブルは、前者の「従税」にまつわるトラブルです。

なぜ、申告重量と実際の重量に差がでる?

輸入手続きを進める際、申告した重量と実際の貨物の重量に差が出ることがあります。このような誤差はどのような要因で発生するのでしょうか?

計量方法の違い

輸出者側で計測した重量と、輸入国の税関で計測した重量が異なることがあります。これは、使用する計量器の違い、計測環境の影響によるものです。特に、湿度や温度の影響を受ける貨物の場合、輸送中に重量が変動することも考えられます。

梱包資材の影響を受ける

貨物を梱包する際に使用されるパレットや包装材の重量が、申告時の重量に含まれているか?によって、重量差が生じることがあります。特に木製パレットや金属製の固定具を使用する場合、それらの重量が申告に含まれていないと誤差がうまれやすいです。

輸送中に重量が変化する

輸送中に貨物が湿気を吸収したり、乾燥したりすることで重量が変わることがあります。例えば、木材や繊維製品は湿気を吸収しやすいため、到着時に重量が増えていることがあります。

重量差が輸入通関に与える影響

重量差が出ると、以下の問題が発生します。

関税額の変更(従量税)

重量を基準として関税額を計算する物が影響を受けます。

申告上の重量と実際の重量が違う。

もし、実際の重量が……

  • 申告重量よりも多い場合→追加で関税を支払う。
  • 申告重量よりも少ない場合→関税が少なくなる。

罰則や追加検査

重量差が「誤差の範囲」を逸脱している場合は、意図的に申告している。つまり、脱税をするためにワザと低く申告しているのでは?と疑われます。当然、場合によっては、追加の検査や過少申告加算税、あるいは重加算税が課せられます。

物流コストの増加

貨物の重量が予想より増えた場合、輸送費や保管費について追加で請求されることがあります。特に航空貨物の場合、重量に応じて料金が設定されているため、予定外のコスト負担が発生することがあります。

業界では一般的に3%程度の誤差が許容範囲とされています。

輸入通関時の重量差トラブルを回避する方法

重量差によるトラブルを防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?

輸出者と事前に計量方法を確認する

輸出者と協力し、使用する計量器や計測方法を統一することで、誤差を最小限に抑えることができます。また、パレットや梱包材の重量を含めた総重量で計測するかどうかを明確にしておきましょう。

第三者による計量証明を取得する

貨物の重量に厳密さが求められる場合、第三者機関による計量証明も有効です。特に重量が厳格に管理される貨物を扱う場合、信頼性の高い計量証明を提出することで、税関のチェックをスムーズに進められます。

貨物の湿度管理を徹底する

湿気を吸収しやすい貨物の場合、輸送中の環境管理を徹底することで、重量の変動を抑えられます。特に、コンテナ輸送では適切な湿度管理が必要です。

まとめ

  • 輸入通関で重量差が発生する原因は、計量方法の違い、梱包資材の影響、輸送中の重量変化などがある
  • 重量差が発生すると、関税額の変更、追加検査、物流コストの増加などのリスクがある
  • 事前に計量方法を統一し、第三者機関の計量証明を活用することで、トラブルを防げる
  • 通関業者と連携し、事前申告を徹底することが重要
  • 貨物の湿度管理を適切に行い、輸送中の重量変動を防ぐことが望ましい

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