日本茶やコーヒーは、世界中で人気が高まっている輸出品の一つです。特に、日本産の高品質な抹茶や煎茶、または特定産地のスペシャルティコーヒーは、海外市場でもプレミアム商品として評価されています。
しかし、これらの嗜好品は湿度や酸化、輸送環境によって品質が変化しやすいため、適切な管理が必要です。
この記事では、日本茶・コーヒーを海外へ輸送する際のポイントを解説します。
日本茶・コーヒーの国際輸送ガイド
日本茶・コーヒーの輸出対象品目
輸出する茶葉やコーヒー豆の種類によって、輸送条件や通関手続きが異なります。どのような品目が輸出対象になるのか、まずは整理しておきましょう。
日本茶
- 抹茶(Matcha):細かい粉末状で湿気や酸化の影響を受けやすい。
- 煎茶(Sencha):日本茶の代表格。風味を損なわない包装が重要。
- ほうじ茶(Hojicha):焙煎された茶葉で、比較的輸送がしやすい。
- 玉露(Gyokuro):デリケートな香りが特徴で、適切な保存が不可欠。
- 玄米茶(Genmaicha):煎茶と玄米のブレンド茶で、湿気管理が必要。
コーヒー
- 生豆(Green Coffee Beans):温度・湿度変化の影響を受けやすい。
- 焙煎豆(Roasted Coffee Beans):香りを保持するための真空パックが重要。
- 挽き豆(Ground Coffee):酸化を防ぐため、窒素充填包装が一般的。
- インスタントコーヒー(Instant Coffee):粉末状で比較的安定しているが、湿度管理が必要。
日本からの主な輸出先国
日本茶やコーヒーの輸出市場は、近年拡大を続けています。特に以下の地域では、日本産の高品質な嗜好品が人気を集めています。
アジア
- 中国:抹茶・煎茶の需要が急増。
- 台湾・香港:高級日本茶の輸入が活発。
- 韓国:美容・健康志向の高まりにより抹茶製品が人気。
- シンガポール・タイ:スペシャルティコーヒーの需要が増加。
北米・欧州
- アメリカ・カナダ:オーガニック抹茶やスペシャルティコーヒーが人気
- フランス・ドイツ:抹茶・煎茶が「和のスーパーフード」として注目
- イギリス:ティーカルチャーの影響で日本茶の認知度が上昇
中東・オセアニア
- UAE・サウジアラビア:高級茶の輸入が増加。
- オーストラリア・ニュージーランド:サステナブルなコーヒーやオーガニック日本茶の需要が高まる。
日本茶・コーヒーの輸送方法
日本茶やコーヒーは、湿度・酸化・温度変化に敏感です。どの輸送手段を選ぶかによって品質に影響が出るため、慎重に選びましょう。
海上輸送(コンテナ輸送)
- 20ft・40ftドライコンテナ:大量の茶葉・コーヒーを輸送する際に使用
- リーファーコンテナ:高品質な日本茶を長距離輸送する際に利用
航空輸送(エアカーゴ)
- 短期間での輸送が必要な高級茶・スペシャルティコーヒー向け。
- コストは高いが、品質を維持しやすい。
日本茶・コーヒーの梱包・固定方法
輸送中の品質を維持するために、適切な梱包方法が不可欠です。日本茶やコーヒーは湿気や酸素の影響を受けやすいため、以下の点に注意しましょう。
- 真空包装・窒素充填:酸化を防ぎ、風味を保持する。
- 防湿対策:湿度をコントロールする包装材を使用。
- 断熱梱包材:長距離輸送時に温度変化を最小限に抑える。
日本茶・コーヒーの通関手続きと必要書類
食品として扱われるため、各国の食品安全基準や規制を事前に確認します。また、スムーズな通関手続きを行うために、必要書類を準備しておきましょう。
主要なHSコード
- 日本茶(0902.10.00)
- コーヒー生豆(0901.11.00)
- 焙煎コーヒー(0901.21.00)
必要な書類
- インボイス(Commercial Invoice):品目・価格・取引条件を記載。
- パッキングリスト(Packing List):梱包内容の詳細
- B/L(船荷証券):貨物の所有権を証明
- 食品衛生証明書(Health Certificate):食品安全基準の適合を証明
- 原産地証明書(Certificate of Origin):関税優遇措置を利用する場合に必要。
まとめ
- 日本茶・コーヒーは湿気・酸化・温度変化に敏感なため、適切な輸送手段を選択する。
- 海上輸送と航空輸送を使い分け、高級品はリーファーコンテナやエアカーゴを活用。
- 梱包は真空包装・防湿対策を徹底し、品質保持を最優先にする。
- 通関時にはインボイス、B/L、食品衛生証明書が必要。
- 出荷前に輸入国の規制を確認し、適切な手続きを行う。
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