海上輸送には、積み替え船とダイレクト船があります。これらは何が違うのでしょうか? この記事では、それぞれの特徴、利点、欠点を詳しく解説していきます。
積み替えとダイレクト(直送)との違い。
積替え船とダイレクト船の決定的な違いは、中継港にて荷下ろしがあるのか?にあります。
- 荷下ろしがある=積み替え船(Transshipment)
- 荷下ろしがない=ダイレクト船(Direct)
ダイレクト船でも第三の港(中継港)を経由することはあります。経由した際、荷下ろしをせず、積載したまま目的地まで輸送するのがダイレクト船です。
*ダイレクト船は、第三の港を経由しない=間違い。
例えば、東京からシンガポール向けのコンテナ船があるとしましょう。
- 東京→シンガポール
- 東京→香港(荷下ろしなし)→シンガポール
上記は、どちらもダイレクト船です。
- 東京→シンガポール
- 東京→香港(荷下ろしあり)→シンガポール
こちらは、積み替え船です。
では、このダイレクト船と積み替え船には、どのような違いがあるのでしょうか? それぞれを詳しく見ていきましょう!
積替え船とは?
積替え船の特徴
- 積替え船とは、第三の港で荷下ろしをする前提の船
- 中継港は、地域のハブ港が選ばれます。(例:香港、シンガポール、釜山など)
- 積み替え地点(ハブ港)で貨物が保管されます。長期間もあり。
メリット
- LCL(コンテナ未満)で輸送したい人にも便利
- 日本の地方から全世界へのコンテナ輸送もできる。
- コストを圧縮できる。
デメリット
- 日程が遅れることが多い。(中継港の混雑など)
- 中継港での天候や機械トラブルなどにあう可能性があり。
- 例えば、積み替え予定の船が故障するなど。
- 積み替え地点での追加コストが発生する可能性がある。
- 様々な理由により遅延が発生しやすい。
- 中継地での紛失や損傷リスクがある
LCL(コンテナ未満輸送)の価格はミニマムチャージが適用される!
ダイレクト船(Direct)とは?
特徴
- ダイレクト船は、貨物が出発港から目的地まで一貫して同じ船で輸送するサービス
- 但し、第三の港に寄る可能性はある。
メリット
- できるだけ早く貨物を届けたいときに便利
- 目的地への輸送時間が短縮される=リードタイムの短縮
- 積み替え地点での追加費用が発生しない。
デメリット
- ダイレクト輸送は、提供されている航路が限定される。
- 積替え船よりも全体的に高い運賃になる。
- 遅延が発生した場合、目的地に到着するまでの時間が長引く可能性がある。
第三の選択 トランスローディングとは?
上記の通り、ダイレクト船と積み替え船には、一長一短があります。実は、2024年現在は、これらの輸送方式の他、トランスローディングと呼ばれる輸送方式があります。
トランスローディングとは、輸送途中で輸送手段(飛行機、船、鉄道)を変える輸送サービスです。
例えば、東京からロサンゼルスまでは船で輸送する。その後、ロサンゼルスの空港からニューヨークまで飛行機で輸送するなどです。船と飛行機、船と鉄道など、複数の輸送手段を活用して、全体としてコストや輸送日数の最適化を図ります。
トランスローディングのデメリット
- 複数の積み替えが前提になるのでダメージリスクが増大
- 作業の手間と時間がかかる。
- 手続きや管理が複雑になる可能性がある。
トランスローディングのメリット
- 多様な輸送モードを活用できる
- 輸送時間やコストの最適化ができる。
- インフラの整備された場所での効率的な積み替えができる。
積替え船、ダイレクト船、トランスローディングの選択方法
積替え船、ダイレクト船、トランスローディングは、予算、輸送日数等、リスク許容度により選択します。当然、これは、フォワーダーの業務範囲です。必ず相談しましょう!
コンテナ輸送の日数はどれ程?期間を左右する要因と最適化のコツ