コンテナ輸送の日数はどれ程?期間を左右する要因と最適化のコツ

コンテナ輸送を利用する際、貨物が目的地に到着するまでの日数は重要です。輸送期間は、様々な条件に左右されるため、それらの条件を理解することは大切です。この記事では、コンテナ輸送の日数に影響を与える要因や、輸送期間を最適化するためのポイントについて解説していきます。

コンテナ輸送の日数はどれくらい?

コンテナ船を使うと、ロサンゼルス港には、何日ほどで到着するのでしょうか?

このような疑問は、当然です。ここでは、コンテナ船の輸送日数に影響を与える条件、輸送日数の調べ方と注意点について確認をしていきましょう!

コンテナ輸送の日数に影響を与える要因

コンテナ船の輸送日数は、次の影響を受けます。

  1. 輸送距離
  2. 積み替え船、ダイレクト船
  3. 季節と天候
  4. 港の混雑状況
  5. 関係業者自体の迅速性
  6. 輸送距離

1.輸送距離

まずは輸送距離です。物理的な距離が長くなるほど、当然、輸送日数は長くなります。

例えば、紛争や海賊の出現などにより、ルート上の海域が封鎖されている。これを避けるために迂回をして輸送日数が多くなるケースがあります。

2.積み替え船、ダイレクト船

本船が輸出港から輸入港にダイレクトに入港するのか? 積み替え船なのか? 又は寄港船なのか?によっても変わります。当然、輸出港から輸入港まで一気に輸送する船の方が高速です。立ち寄る港や積み替える港が多いほど、ヤードの混雑、機械故障、濃霧等の影響を複合的に受けて、輸送日数が多くなりやすいです。特に本船が故障することも多いです。

3.季節と天候

季節や天候の影響も大きいです。台風、嵐などの影響の他、濃霧などの影響もあります。濃霧の影響は、特に中国路線かつ特定の季節に多い印象です。

濃霧の影響がある季節例
  • 春(特に春先):冷たい海水と暖かい空気が接することで、濃霧が発生しやすい。
  • 秋(秋の終わり):冷たい空気と暖かい海水が交わりやすく、濃霧が発生しやすい。
濃霧の影響がある航路
  • 北大西洋航路:特にニューファンドランド島周辺やグランドバンクス付近
  • 北太平洋航路:アリューシャン列島やベーリング海付近
  • 東アジア航路:日本海沿岸や東シナ海、黄海付近
  • 北海・バルト海航路:北ヨーロッパの北海やバルト海
  • サンフランシスコ湾:アメリカ西海岸のサンフランシスコ湾
  • カナダのブリティッシュコロンビア沿岸: バンクーバー周辺
  • 南米のパタゴニア沿岸:アルゼンチンやチリのパタゴニア地方の沿岸部

4.港の混雑状況

コンテナ船が立ち寄る港の混雑状況も関係してきます。

例えば、流行病が蔓延していたさいは、アメリカの西海岸の玄関口ロサンゼルス港に入港するコンテナ船が沖合上で長蛇の列を作っていたこともありました。

5.関係業者自体の迅速性

フォワーダーや通関業者自体の迅速性、手配能力も輸送日数に関係することがあります。

例えば、本船が入港間際にも関わらず、貨物を迅速に引き取る為の手配を全くしていないなどです。また、フォワーダーのスペースブッキング力の関係から、輸送スペースを確保できず、次の船に乗せることになるリスクもあります。

以上がコンテナ輸送日数に影響する事項の例示です。

輸送期間の目安

東京から北米の主要港までの目安

  • ロサンゼルス/ロングビーチ港: 約10~14日
  • サンフランシスコ/オークランド港: 約12~16日
  • シアトル/タコマ港: 約14~18日
  • バンクーバー港(カナダ): 約14~17日
  • ニューヨーク/ニュージャージー港: 約25~30日

東京からヨーロッパの主要港までの目安

  • ロッテルダム港(オランダ): 約28~35日
  • ハンブルク港(ドイツ): 約30~37日
  • アントワープ港(ベルギー): 約28~35日
  • フェリクストウ港(イギリス): 約30~38日
  • ル・アーヴル港(フランス): 約28~35日

東京からアジア諸国の主要港までの目安

  • 上海港(中国): 約3~5日
  • 釜山港(韓国): 約2~3日
  • 香港港(香港): 約5~7日
  • シンガポール港(シンガポール): 約7~10日
  • バンコク港(タイ): 約10~12日

東京から南米の主要港までの目安

  • サントス港(ブラジル): 約35~45日
  • ブエノスアイレス港(アルゼンチン): 約38~48日
  • コロン港(パナマ): 約25~30日
  • バルパライソ港(チリ): 約30~40日
  • リマ港(ペルー): 約28~38日

輸送期間を調べる方法

輸送期間は、欧米サイトの「iContainer」などで調べられます。

コンテナの輸送期間を短縮するためのポイント

最後にコンテナの輸送期間を短縮するための4つのポイントをご紹介します。

  1. フェリー船の利用
  2. HDSの設定
  3. 書類の準備と通関手続きの迅速化(予備申告)
  4. フォワーダー(通関業者)との密な連携

1.フェリー船を利用

中国、韓国と日本の間には、フェリー船が運航されています。フェリー船とコンテナ船は、似て非なる物です。フェリー輸送には、輸送日数、ぎりぎりのカットタイム、標準のHDSサービスなどが提供されています。輸送日数を短くしたい、けれど、輸送代金を少しでも下げたい場合に便利です。

【フェリー輸送の魅力】メリット&コンテナ船との違いを解説!

2.HDSの設定

コンテナ輸送を予約するときに「HDS(ホットデリバリーサービス)」などをかけておくと良いです。HDSとは、輸入国側に本船が到着したら優先的にコンテナを港に降ろすサービスです。少しでも早くコンテナを引き取りたい場合は、必ずHDSを設定しましょう。

3.書類の準備と通関手続きの迅速化(予備申告)

HDSにより早く貨物をおろしても貨物を引き取れる状況でなければ意味はないです。

貨物を引き取れる=本船から貨物が降ろされる+輸入許可を得ていること

上記の2つの条件を満たす必要があります。迅速な輸入許可を受けるには、貨物が到着する前に、税関による審査を受けられる予備申告をします。予備申告により税関の審査が終了している場合は、本船からコンテナが降ろされたと同時に輸入許可になります。

HDS+予備申告(区分1審査扱)であれば、本船到着の翌日(搬入日)の当日にコンテナを引き取ることもできます。

4.フォワーダー(通関業者)との密な連携

最後は、フォワーダーや通関業者との密な連携です。どれだけ良いサービスを利用したとしても最後は、それを操る人、指示する側の能力に影響される部分が大きいです。通関業者の担当者と荷主側担当者との意思疎通がうまくできていないと、指定の配送日に貨物を引き取れなかったり、届けられなかったりすることがあります。担当者と担当者が密な連絡を取ることが結果、素早く貨物を引き取ることにつながると考えています。

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