海上コンテナのSOCとCOCの違いと利点 イレギュラー時に強い!

海上輸送の効率化とコストの削減は重要です。この記事では、SOC(Shipper Owned Container)とCOC(Carrier Owned Container)の違い、メリット、デメリットを解説していきます。

SOCとCOCを徹底比較

基本的な違い。

まずは、基本的な違いをご紹介します。

SOC (Shipper Owned Container)は、シッパー、いわゆる荷主が所有し、管理するコンテナです。一方、COC (Carrier Owned Container)は、船会社(フォワーダー含む)が所有&管理します。つまり、コンテナの所有者が違います。これにより、次の違いがあります。

  • 初期費用の負担の有無、長期的なコスト負担
  • コンテナの調達難易度
  • 保守や修理の責任やコスト負担
  • ロールオーバー時の各種負担金

SOCは、初期費用が高い分、長期的にはコスト負担が小さくなったり、イレギュラー時の対応力があがあったりします。一定規模以上の荷主が導入することが多いです。

一方、一般的な荷主は、COCを選ぶことが多いです。COCを選べば、初期コストの負担や保守や修理費用の負担を避けられるからです。

以下で、それぞれの特徴を確認していきましょう!

SOC (Shipper Owned Container)の特徴とメリット

SOCは、荷主が購入、所有し、管理、保守などをします。よって、初期費用が発生したり、管理、維持するための費用がかかったりします。一方、自分の所有物であるため、各種のペナルティ金が発生しないです。(例:ディテンションチャージ等)

  • 所有者: 荷主(Shipper)が所有する。
  • 使用の柔軟性: 目的地に使える。
  • コスト: 初期投資が必要。長期的にはリースや使用料等を削減できる。
  • 運用管理: コンテナの管理、保守、修理は荷主がする=費用や場所が必要。
  • コンテナの維持:自社専用のきれいなコンテナを使える。
  • デマレージ&ディテンションチャージ:通常は、免除される。
  • 使用シン:マイナーな仕向け地、内陸部への輸送など(コンテナ流通量が限られているとき)

COC (Carrier Owned Container)の特徴とメリット

COCは、船社やフォワーダーが購入、所有し、管理、保守などをします。通常、コンテナの輸送代金に含まれているため、コンテナ自体の費用を意識することは少ないです。

本船の予約=空コンテナの使用料が含まれている

但し、コンテナの所有者は、船会社等であり、一時的に借りる形になる為、様々な責任、費用負担の義務が発生する可能性があります。

例えば、コンテナを汚損したり、一定の期間以上、コンテナを留めていたりするなどです。船会社等からの借り物であるため、当然、それに伴う責任が発生します。

  • 所有者: 船会社(Carrier)が所有する。
  • 柔軟性: 船会社の意向に左右される。例:流行病時のコンテナひっ迫など
  • コスト: コンテナを買わなくても良い。
  • 運用管理: コンテナの管理、保守、修理は船会社が担当する。
  • デマレージ&ディテンションチャージ :発生する。
  • 使用シーン: ほとんどの荷主が貿易時に利用する

覚えておきたいSCO3つの強み(違い)

上記の通り、SOCとCOCは、一長一短があります。ですが、通常の荷主は、COCで十分(船社への予約と同時にコンテナを借りる)であるとの結論は同じです。ただし、一定以上の規模感で取引をする荷主は、SOCが持つ次の3つの強みを理解しておくと良です。

  1. ロールオーバー時に強い。
  2. イレギュラー時に強い。
  3. 僻地への輸送に強い。

1.ロールオーバー時に強い。

ロールオーバーとは、コンテナの積み残しのことです。

例えば、中国からアメリカ向けにコンテナを輸出。シンガポールで積み替えるとしましょう。国際輸送や港でのオペレーションが順調であれば、特に問題はないです。しかし、何らかの理由により、コンテナを積み込まず残すことがあります。これをロールオーバーと言います。

COCの場合、このようなロールオーバー時に滞船料や滞留料の費用を請求される場合があります。

2.イレギュラー時に強い。

2019年からの数年間は、コンテナ自体の数が不足する非常に特殊な状況でした。

コンテナ船もある。輸送する商品も準備している。但し、それを入れるコンテナ自体が不足している。SCOは、このような状況下に強いです。

SOCは、荷主の所有物であるため、100%の自社の管理下におけます。貨物を積みたいときに、必ずコンテナがあることは非常に魅力的です。

SOCは、イレギュラー時への対策としても有効

3.僻地への輸送に強い。

COCは、コンテナを回して利用している為、有名な仕向け地とそうでない場所のコンテナの流通量が変化します。仮に内陸部などの僻地を仕向け地とする場合は、SOCの方が柔軟に手配できます。

SOCコンテナのリース契約の方もあり

SOCを手配する場合は、荷主が所有、管理することが原則です。但し、それを実行すると、費用的な問題や場所、管理の問題が出てきます。一定以上の規模感が無ければ現実的ではないです。

但し、2024年現在は、SOCコンテナをスポットでリースできるサービスもあります。SOCの導入を検討されている場合は、購入とスポットリースの2つがあることを覚えておきましょう。

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