デマレージとディテンションの違いを解説!国際物流でのペナルティを理解する。

この記事では、デマレージとディテンションチャージの違いについて詳しく解説し、実務での対処方法、フォワーダーとの交渉をご紹介します。

デマレージとディテンションチャージ

デマレージとディテンションチャージは、本船到着後の港(コンテナターミナル)でかかる追加の費用です。具体的には…

  • 港にて保管できる期間を過ぎる
  • 港に返却する期間を過ぎる

と課金されるペナルティ的な費用です。つまり、通常の引き取りをされる方(予定通りに素早く引き取る方)は、支払わなくても良い費用です。詳しく説明していきます。

デマレージ

デマレージは、本船到着後、コンテナ等がターミナルや倉庫等に保管された後、指定の保管期限を過ぎた場合に課金される費用です。(輸入許可前につき消費税非課税扱い)

=早くコンテナターミナルから搬出させる目的で設けているペナルティです。

そして、コンテナターミナルに無料で保管できる期間をフリータイムと言います。

フリータイムとは?

フリータイムは、原則、ターミナル等にコンテナが保管された日の翌日を起算して5営業日です。輸入者は、この期間内にコンテナターミナル等からコンテナを搬出しなければなりません。この期間内に搬出できない場合にデマレージの支払いを求められます。

フリータイムの日数はフォワーダーによっても異なる。

フリータイムは、原則5営業日です。しかし、この日数は、フォワーダーによっても違います。フォワーダーによっては、標準2週間フリータイムを無料にしている所もあります。

デマレージが発生する理由

  • フリータイムの期間内に貨物を搬出しないと発生する。
  • 通関手続きの遅延による搬出日を過ぎる。
  • 輸送手段の手配遅れ(ドレーの手配ができない)

誰に支払う?

デマレージは、コンテナターミナルを管理するターミナルオペレーターに支払います。

デマレージの計算方法・数え方

デマレージ=単価×搬出までの日数で計算します。

単価

デマレージの単価は、コンテナの種類に応じて変わります。一般コンテナ(ドライバン)よりもリーファーコンテナの方が高いです。また、経過日数に応じて、一日当たりの単価も急激に高くなるので注意が必要です。なお、単価は、船会社によっても変わります。

搬出までの日数

デマレージの数え方は、本船入港日(ETA)の翌日から起算して5営業日です。最初の土日や祝日等は除いて計算します。二週目からは含めて計算します。

例えば、火曜日入港の船のコンテナは、水曜日から起算して、水、木、金、月、火曜日までがフリータイムです。最初の土日祝日は、カウントしないです。

デマレージの相場例
  • 20フィートドライ フリータイム 5日 6日目から一日4000円
  • 40フィートドライ フリータイム5日 6日目から一日6000円など
  • 20フィートリーファー フリータイム 3日 4日目から一日9000円

ディテンションとは?

ディテンションチャージは、ターミナルから搬出したコンテナの返却を促す費用です。具体的には、次の通りです。(輸入許可後につき消費税課税扱い)

  1. 実入りのコンテナを搬出する。
  2. 指定の場所に輸送する
  3. 指定の場所でデバンをする。
  4. コンテナが空になる。
  5. 空のコンテナをターミナルに返却する。

上記をできるだけ早める目的で設定しています。

ディテンションチャージが発生する理由

  • 荷降ろしの遅れ(デバンの遅れ)
  • 空コンテナ返却の遅延(デバン後、空になったコンテナの返却)

ディテンションチャージの計算方法、相場例

ディテンションチャージは、コンテナターミナルから搬出した日を基準にして5日です。この期間を過ぎると、デマレージと同じく一日○○円とどんどんと課金されます。また、その金額は、日数が経過する程、加速度的に増えていきます。

ディテンションチャージの相場例
  • 20フィート フリータイム 5日 6日目から一日1000円
  • 40フィート フリータイム5日 6日目から一日1500円など

実務での適用方法

実務では、輸入許可後、コンテナターミナルからコンテナを引き取るときに関係します。フリータイムを過ぎている場合は、デマレージの支払い後に搬出ができます。逆にいうと、デマレージを支払わない限り、輸入許可後でも貨物を搬出できないです。

実務担当者がすべきことは?

コンテナをピックアップする日がフリータイム内であるのかを確認します。フリータイムを過ぎている場合は、速やかにフォワーダー等に連絡をしてデマレージに関する問い合わせをします。

デマレージはフォワーダーとの交渉で延長できる

記事の冒頭でも説明の通り、デマレージは、フォワーダーとの交渉により通常よりも長くできます。

例えば、あなたが輸出者として月間○○本の輸送を依頼する予定がある。その上で輸出先でのフリータイムを延長してほしい!などと交渉します。

もし、この交渉により、輸出先側のフリータイムを延長できれば、それはあなたの買い手(輸出先)へのアピールポイントにもできます。

よくある疑問・CIF契約におけるデマレージなどの負担者は?

負担者は、輸入者です。なぜなら、デマレージやディテンションチャージは、全て輸入者の責任により発生するからです。輸入貨物の引き取りが遅くなるのは、通関手配や国内物流に関する手配ミスです。よって、落ち度は、全て輸入者にあります。

デマレージとディテンションの違いのまとめ

デマレージは、港におけるコンテナの滞留を防止することが目的です。一方、ディテンションチャージは、輸出用のコンテナを確保するために、できるだけ早く空コンテナを港に返却させることが目的です。

どちらの費用もその大きさ(20フィートや40フィート)、特殊性(ドライとリーファー)などによって変わります。また、その費用は、日数に比例ではなく、加速度的にかかるため注意します。特にリーファーコンテナは、高額です。

例:一日50,000円など。

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