国際貿易では、一度使用したコンテナを再利用するケースがあります。特に、デバンニング(荷下ろし)が完了した空のコンテナを再度貨物の輸送に利用することで、コスト削減や環境負荷の軽減が期待できます。
この記事では、コンテナの再利用方法、注意点、活用方法について解説します。
デバンを終えた空のコンテナを再利用
デバン後のコンテナの再利用とは?
輸入された貨物がデバン(荷下ろし)された後、空のコンテナが港や指定倉庫に残されます。この空のコンテナを、そのまま別の貨物の輸送に活用することで、コストを削減効果があります。特に、輸入と輸出が同じ地域で行われる場合、回送せずにそのまま輸出貨物の積み込みに使う「トライアングル運用」がおススメです。
コンテナ再利用の3つのメリット
コスト削減
新たなコンテナを手配する必要がなく、コンテナの回送費用も抑えられます。
時間短縮
空のコンテナをそのまま利用するため、新たにコンテナを手配する時間を削減できます。
環境負荷の軽減
コンテナの回送を減らすことで、無駄な移動を抑え、CO2排出を減らせる。
再利用の流れ
1.デバン後のコンテナ確認
デバン完了後、コンテナが損傷なく再利用可能であるか確認します。内部の清掃を行い、異物の残留がないかチェックします。
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2.輸出貨物の積み込み
輸出用の貨物を積み込む前に、コンテナの種類(ドライコンテナ、リーファーコンテナ、オープントップなど)と貨物の特性があっているか?を確認します。貨物の固定やラッシングを適切に行い、輸送中の荷崩れを防ぎます。
3.必要書類の準備
コンテナの再利用には、通関書類や船会社との調整が必要です。特に、コンテナの管理番号が変更されないよう注意し、適切な書類を準備します。
4.輸送手配と出港
輸出貨物の搭載が完了したら、通関手続きを行い、輸送スケジュールに従って港へ搬入します。事前に輸送手配を済ませておくことで、スムーズな運用が可能です。
再利用時の注意点
1.コンテナの状態を事前に確認
コンテナの損傷の有無を確認します。コンテナが損傷していると、輸送中にトラブルが発生する可能性があります。
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2.輸送スケジュールの調整
再利用を前提にする場合、輸入と輸出のタイミングをしっかり合わせる必要があります。スケジュール管理を徹底しましょう。
通関手続きをスムーズに進める
再利用するコンテナでも、新たな輸出貨物として扱われるため、必要な通関手続きを確実に行うことが重要です。
まとめ
デバン後のコンテナを再利用することで、コスト削減や環境負荷の低減、輸送の効率化が実現できます。しかし、適切な手順を踏まなければトラブルにつながる可能性もあるため、コンテナの状態確認、通関手続き、スケジュール調整をしっかり行うことが求められます。再利用のメリットを最大限に活かし、国際物流をよりスムーズに進めていきましょう。
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