海外から輸入した商品をいくらで販売すれば良いのか悩みます。ある筋の情報によると、アパレルメーカーは、インボイス価格の10倍を小売価格にしていると聞きます。よくある輸入ビジネス系は、最低限30%の利益をのせるべきと案内する方もいます。
様々な意見がある中で、輸入品の価格設定は、どのようにするかを考察していきます。本サイトでは、輸入品の価格設定を考える際、為替変動と販売戦略が重要だと考えます。
輸入品の価格設定
輸入品の価格設定は、利益額を左右し、ビジネスの継続性に関わります。基本的に資金力がない個人は….
- 少品種
- 利益幅を大きくとる
これが原則だと言われます。この反対の多品種、薄利は、資金力がある大手向けです。ここでは、小規模ビジネスの価格設定を考えていきたいと思います。
原則、価格設定は積み上げ式
価格設定は、次の2つの方式があります。
- 原価部分の積み上げにより算出する
- 販売価格から差し引き算出する(逆算)
求めやすいのは、1番の原価部分の積み上げです。
例えば…..
- 商品価格
- 商品の国際送料
- 商品の税金
- 商品の通関費
- 商品の国内輸送
これを一つ一つ積み上げていき販売価格を算出します。このとき、積み上げるべき費用については、輸入原価に含むべき費用項目で説明しています。
輸入品の販売価格を決める上で考慮するべきこと
既述の通り、商品価格から一つずつ積み上げていくことで、日本国内での販売価格を算出できます。しかし、この価格を決める上で、他にも注意するべき点があります。それが以下の2つです。
- 販売戦略
- 為替変動リスク
1.販売戦略
販売戦略とは、日本国内の誰に対して販売するのか?です。この誰とは、次の2つの顧客像を指します。
- 再販業者
- 個人
再販業者とは、 B TO B、業販を想定する商売です。個人とは、B TO C、一般小売りを指します。
あなたは、誰に販売するのでしょうか? また、それは、どのように展開するつもりでしょうか? まずは、ここを考えます。
例えば、楽天市場やアマゾン等で販売をするなら、それは、一般個人向け、B TO Cのモデルに該当します。逆にネット販売等ではなく、一般の業務店に販売すなら、B TO Bに該当します。戦略次第では、これらの併用も可能です。
業販と小売りを併用する場合に重要なこと
業務販売と小売りを併用する場合は、必ず価格差を設けるます。
例えば、同じ商品を売るようにして次の価格差を設けます。
- 個人向け=2000円/個
- 業者向け=500円/個
価格差を設ける理由は、個人とあなたとの間で、再販業者が入り込める余地を作るためです。この価格差を設けることで、次のような階層式の商売を実現できます。
- あなた
- 一次販売
- 二次販売
- 三次販売
- 小売
もし、あなたから小売りに対する販売価格の差が小さい場合は、当然、再販業者はなくなります。結果、ビジネスの幅を狭めることになりますね!だからこそ、最初に必ず販売戦略が必要なのです。
業販を想定?一般個人向けなの? それとも併用?この違いで価格戦略が変わります。
2.為替変動リスク
輸入品は外国通貨で購入する為、必ず為替変動の影響を受けます。輸入の場合は、円高の方が有利です。円安に振れると、輸入原価を大きく押し上げます。
一説によると、為替の変動は、一年間で10%から20%ほど、上下に変動すると言われています。つまり、10%円高になる~、円安になる~があり得るのです。
為替変動は、輸入諸経費に大きな影響を与えます。商品の本体代金の他、海上輸送費、保険代金等も価格が上昇します。ここで問題になるのが輸入品の価格設定です。
例えば、「うちは採算ぎりぎりで販売しています!安売りしまっせ!大量購入大歓迎」など、薄利・大量商売を前提とする場合は、輸入原価と販売価格の差が小さく、円安によるコストアップを吸収できなくなる可能性があります。
為替は、上下に大きく動きます。あまりにもぎりぎりな価格を設定していると、為替変動の影響を吸収できず、すぐに原価割れ又は、顧客への値上げを案内しなければならない状況にいたります。よって、輸入販売価格を設定する場合は、ある程度、円安に振れても対応ができるよう、予め、為替変動を想定した価格にすることが重要です。