海上コンテナ輸送に関連する重要な用語を解説します。
海上コンテナ輸送で関連する用語集
コンテナ関連
- 標準コンテナ(Standard Container): 一般的な貨物を輸送するための基本的なコンテナです。20フィートと40フィートの2種類が基本です。その他、ハイキューブなどもあり。
- 冷蔵コンテナ(Reefer Container): 温度管理が必要な貨物の輸送に使用されるコンテナ。最近では、東南アジア諸国に対して混載リーファーサービスがあります。日本食品を輸出する方には必見のサービスです。
- オープントップコンテナ(Open Top Container): 上部が開いているコンテナす。大型や形状の不規則な貨物に適しています。
海上コンテナの種類・特徴・用途を解説 ドライ&フラットラック等
輸送手段
- RORO(Roll-On/Roll-Off):2024年のトラックドライバー問題を機にますます注目されている輸送方法です。トラックのまま船に乗り込み輸送する方法です。
- フィーダー船(Feeder Vessel): 小型船で、大型港から地方港へ貨物を輸送することです。例えば、メガキャリアが寄港する釜山に向けて貨物を出す船などが該当します。
- メインライン船(Mainline Vessel): 大型船で、主要な貿易航路を運航する。メガキャリアとも言います。
- バージ(Barge): 内陸水路で使用される平底の船。
3. 貨物形態
- FCL(Full Container Load)又はCY: 一つのコンテナを一社のみで利用する方法です。搬入速度が速い。貨物損傷リスクが低い等の特徴があります。
- LCL(Less than Container Load)又はCFS: 複数の荷主の貨物を一つのコンテナに混載する輸送形態です。比較的、少量の貨物でも運べる所が魅力です。輸送価格は、M3毎に積み上げていく方式です。
- ブレークバルク貨物(Break Bulk Cargo): コンテナに入れずに個別に取り扱う貨物です。コンテナ船ではなく在来船により輸送します。
FCLとLCLの違いとは?コンテナ輸送の分岐点と費用を解説!
4. ドキュメント
- B/L・船荷証券(Bill of Lading): 貨物の受領証かつ輸送契約の証書です。売り手は、輸入者かの入金確認ができ次第、B/Lの原本を送付します。輸入者は、B/Lの原本の差し入れ、輸入許可書、D/O処理の3つを完了させることで貨物を引き取れます。
- D/O:輸入者がアライバルノーティスに記載されている費用を支払うと発行される書類です。最近は、D/Oレスが主流であり、書類として発行されるケースは稀です。
- アライバルノーティス:船会社(フォワーダー)が船舶の到着日(ETA)を知らせるときに発行する書類です。この書類には、貨物を引き取る為の諸費用が記載されています。なお、この書類は、税関申告の課税価格を決める上でも利用されます。
- S/I(Shipping Instruction): 荷主がフォワーダーに出す輸送指示書です。
- クレームノーティス:輸送事故等が発生した際、フォワーダー等に対して、事故があったことを通知する書類です。保険会社への求償請求をするさいにも利用されます。
コンテナ輸送で必要な書類:輸出入の手続きをスムーズに進める!
5. 費用関連
- サーチャージ:基本的な運賃の他、突発的な変動費用に対して請求するものです。BAF YASなど3文字の略語で表されます。正直、不必要、透明性が低い謎の費用とも言われています。下で説明するDRS、LSSなども全てサーチャージです。
- フレイトチャージ(Freight Charge): 輸送にかかる基本料金。
- ドレージチャージ(Drayage Charge): 港から倉庫までの陸上輸送にかかる費用。
- デマレージ(Demurrage): コンテナが港に留置される期間に発生する追加費用
- THC:ターミナルハンドリングチャージは、コンテナをターミナルにおろすための費用です。
- DRS:貨物の目的地での荷受けにかかる費用
- LSS:低硫黄燃料の使用に伴う追加料金
- FAF:燃料価格の変動に対応する費用
- PSS:繁忙期に適用される追加料金。
6. 通関関連
- 輸入許可(Import Permit): 輸入申告&税関審査が完了すると得られるものです。外国貨物は輸入許可により内国貨物扱いになるとされています。
- 原産地証明書:EPA協定(関税削減又は、ゼロ)を利用するときに必要な書類です。原産国側が発行し、輸入国側に送付する書類です。
- インボイス(Invoice): 商業取引の請求書です。売り手が作成し、買い手に対して発行します。税関申告では、このインボイスの他、パッキングリスト、B/L、アライバルノーティス等を提出します。
- パッキングリスト:貨物の梱包状況を説明する書類です。例えば、カートンボックス4番には、○○と○○と○○がいくつずつ梱包されているなど。
7. 物流関連
- 三国間貿易:貿易が二国だけでなく、三か国で完了する形態。例えば、商取引は、日本の企業とアメリカの企業。商品自体は、中国の工場からアメリカの企業に直送する等です。関連する言葉には、スイッチB/Lなどがあります。
- サプライチェーン(Supply Chain): 製品の供給から最終消費者までの流れの総称
- 3PL(Third-Party Logistics): 物流業務の全部又は一部を外部の専門業者に委託すること
- フォワーダー(Forwarder): キャリア(船舶を所有する企業)と荷主との間を取り持つ業者です。輸送スペースの荷主向け販売(小売り)をしている業者とも言えます。
- フリータイム:コンテナが無料で港やターミナルに滞在できる期間。通常、ETAの翌日から起算して5日間ほどが設定されています。この期間は、フォワーダーによっても違います。期間が過ぎると、一日単位でデマレージが発生します。関連する用語は、ディテンションチャージ
- シャーシ:コンテナを運搬するためのトレーラーの車体部分を指す。
- インテグレーター:輸送、保管、流通などの業務を一括して提供する企業です。例: FedEx
- 加速度計、データロガー:加速度を測定する装置。輸送中の振動や衝撃を記録する物
- 水切り:コンテナなどから水を排水することです。錆やカビの防止が目的です。
- ラッシング:貨物を固定するためのロープ等の総称。荷崩れの防止が目的です。
- ETA:予想到着時刻。コンテナ船が目的地に到着する予定日
- 3軸:三つの車軸を持つトレーラー。重いコンテナを輸送するときに使用
- TEU:20フィートコンテナ1本分の容量を表す単位
- コンサイニー:貨物の受取人。輸送先で荷物を受け取る人や企業。
- ノミネーション:輸送に使用する船や航空機、運送業者を指定することです。ノミネーションフォワーダーなどとも言います。
- SOC:荷主が自社でコンテナを所有することです。
- IMDG:国際海上危険物規則。危険物の輸送に関する国際的な基準です。
- LOI:荷物の取り扱いや配送に関するリスクを保証するために使用します。
- EIR:コンテナの受け渡し時に記録します。
- AFR:事前貨物情報提出制度です。
- EMC:コンテナの管理や整備にかかる費用。
- AMS:アメリカの輸出入管理システム
- RT:貨物の運賃計算に使用される単位。実際の重量と体積から換算した重量(容積重量)を比較して重い方を採用することです。
- M3:立方メートル。貨物の体積を計測する単位。
- 保税地域:関税が保留される地域。輸入貨物が通関前に一時的に保管されます。ボンドとも言います。上級者は、この保税地内で売買をする「保税転売」なども行っています。
- マーフィー:物流では、予期せぬトラブルが発生する可能性を示唆する法則。
- マニフェスト:積荷目録。輸送する全貨物の詳細リストでです。通関手続きや荷物の管理(輸送情報)に使用されます。
セキュリティ
- シール(Seal): コンテナの開封防止用の封印です。シールといっても鉄の南京錠のような物です。小さいですが、非常に強硬な為、専用の工具を使わないと破壊できないようになっています。税関検査が行われいないにも関わらず、シールが開封されていた場合は盗難被害に遭っている可能性があります。
契約関連
- インコタームズ:売主と買主が貿易取引をする上で、その費用と責任をどこまでとするのかを定義する国際ルールです。2024年現在、11のインコタームズが存在し売り手と買い手が相談し、いずれ一つのインコタームズを採用します。つまり、売り手及び買い手は、合意したインコタームズの決まりに縛られることになります。(履行義務を負う)インコタームズは、輸送する上でも極めて重要な役割があります。必ず内容を理解した上で、合意することが重要です。
- FAS:貨物が船の側まで届けられるまでの費用を売主が負担する貿易条件。
- DAP:貨物が指定された場所に到着するまでのすべての費用とリスクを売主が負担する貿易条件。
- DDP:貨物の目的地までのすべての費用と関税を売主が負担する貿易条件。
- CIF:売主が出発港で貨物を船積みし、目的港までの運賃と保険料を負担する条件です。